――むかし海賊が「ドラケ」という飲物を伝えた。
砂糖とライムとミントを混ぜた「ドラケ」(Draque)は、
ハバナにコレラが蔓延したとき「薬」として供用されたという。
20世紀に入り、それが「MOJITO」という名の人気カクテルとなる・・・。
――深夜に目覚めて、ふと、旨い柑橘系ボウモアとかで、
なんだか急に喉を潤したくなったが、そんなもの家にあるわけがない。
そういう時のために、机の引出の奥に、
「薬」として確保されているシガリロの中から、
たまたま「MOJITO」があった。
と言う訳で、一本のシガリロのライムとミントの味わいの奥に、
その、ボウモアとか思い浮かべたりして、ひとり燻らすのも、
大人の男の嗜みというものだ・・・。
つくづく、馬鹿な奴だと思いながら、煙に捲かれて、
輝く海の光景とか、
なんの変哲もないパームツリーの続く道路とか、
思い浮かべたりしている。
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