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■突然のめまいが・・・。


・・・そういう函館の夜の記憶もまだ消えない週末に、
バイヤーは既に札幌駅のホームに立っていた。
――この電車は、「くわぞの」へ行きますかと、駅員に尋ねると同時に、
それはクワゾノではなくて、「そうえん」と読む事を知った。
しかし30年間。
「桑園(くわぞの)」と「そうえん」とは別の所と、
勝手に思い込んでいた自分が笑える。

それはともかく、きょうは「札幌記念」。
リベンジの時は来たのであった。

JRA札幌競馬場では、
競馬場限定「駿馬茶」なるものが販売されていて、
パッケージに描かれた、
ロジユニヴァース号の札幌記念での復活を、
高らかに予言している。
ならば、その「駿馬茶」なるものをゴクゴク飲んで、
ここは、ロジユニヴァースの復活を祝おうではないか。

そう思っている矢先に、
――しかし穴なら、やっぱり岩田康騎手だよな。
   なんたって、岩田はTOPJKだよ。
という思いが、次第に頭を擡げてきて、
レースの投票を締め切る頃には、どういう訳か、

⑤アクシオン岩田康→⑥アーネストリー佐藤哲→⑩ロジユニヴァース横山典
⑥アーネストリー佐藤哲→⑤アクシオン岩田康→⑩ロジユニヴァース横山典
⑩ロジユニヴァース横山典→⑥アーネストリー佐藤哲→⑤アクシオン岩田康

という三連単を握り締めていたのだ。

目の前を、すんなりと上手に横山典がロジを先頭集団に貼り付ける。
そうしてレースは、スローに落ち着いて、
さすがに横山典のロジと佐藤哲のアーネストリーの、
マッチレースとなったのだ。

結果は、⑥アーネストリー ⑩ロジユニヴァース ⑤アクシオン 
――どうして、そういう組み合わせを買っていないのでしょうね。

例によって、同行者があきれている。
――その時、突然のめまいに襲われたようで、
じぶんでも、不思議な気がしてしょうがないのだな。

そうして、連敗記録を更新して、帰りの駅へ戻ったのだ。
――いちど、みてもらった方がいいかもしれないですね。

余計な事、言わないでもらいたいよ。まったく。

(◎▲◎)

#■JOURNY

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