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■ことしの十五夜


――きょうは中秋の名月 
月見で一杯。
とゆきたいところだけれど、
その前に、山峡の湖面を照らす、
お月様を眺めて見たいと思って、夕方からクルマを走らせた。

ちょうど然別湖畔へ着くと、
通り雨もあがり、空は澄み渡っていた。
「しかりべつ湖HOTEL」の方に、
――そう云えば、このHOTELの屋上は、絶好の見晴らしでしたね。
なんていうと、フロントのTAKAHASHIさんは、
親切にも、屋上へ案内してくれるのだった。
――恐れ入ります。帰りに売店で、月見饅頭でも買いますから。
なんて冗談をいいながら、屋上へ案内されると、
確かにここは絶好の「お月見」ポイントなのだ。

山の端から、お盆のような月が出るのかと思っていたが、
すでに白い十五夜の月が東の空に、浮かんでいて、
刻一刻と、黄金色に輝いてゆく。

やがて陽が落ちると、
湖面はご覧のとおり、月明かりが反射して輝きだすのだ。

そして、暮れなずむと、
満月と競うように、
満点の星が瞬いているのであった。

風が落ちて、湖面には月影が浮かんでいる。
ホテルのフロントにお礼を言うと、
――こういう風に、月が湖面を照らす写真は撮れましたか。
とTAKAHASHIさんが示す、
フロントの壁には、
かの東山魁夷画伯が、この湖で描いた作品が飾られていた。
――うーーーん、なかなか難しいね・・・。

#■TOKACHI

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