タリバーディンはCLUBの棚でも、
地味な存在なので、
バイヤーとしては気になっていたのだ。
ちょうど、ベンリアック樽を飲み干す頃に、
これは珍しいと登場させた10年も、
インパクトの強い、長熟物のロングモーンやアイラ系の影で、
まるで存在感がなかった。
それで、もう一歩踏み込んだのが、
「1973」と「1975」だ。
これも、同時入荷の、
実にウマイ「グレンリベット30年」や「ブローラ」の
影に埋もれてしまったって今日に至る。
・・・実にスパイシーなインパクトに包まれて、
レモンのような、ワインのような複雑な香りが、
甘美な涼やかさのもとに拡がってゆく・・・。
――ピスタチオお代り。
なかなか、どうして、味わい深いのものがある・・・。
タリバーディンのような微妙なモルトと向き合うのは、
やはり今頃の季節、
それも、閑古鳥のCLUBカウンターとかが良いようである。
#■MALT WHISKY