エゾキスゲ(蝦夷黄萓)やハマナス(浜梨)の花が、
風の中で咲いています。
ここは積丹半島・神威岬。
――明治の頃、神威岬にはロシア艦隊がしばしば近づき緊張が走った。
彼らは燈台を目印に航行していたのだろう。
――しかも此処は見晴らしが良い。
灯火のない昼間は、この辺に「女性」が立っていると、
それを目当てに、ロシア艦隊が近づいて来るとも限らない。
それで岬は女人禁制となった。
――燈台の灯りを消して、
電波レーダーでキャッチを試みた電波探知塔の名残が
下の写真の電磁台である。
――その強烈な電磁波のせいか、
シャコタンブルーのソフトクリームを写真に撮ると
1本が3本に写っている。
――いやだ、その話どこまでがほんとうで、
どこからが作り話なのかワカラナイ。
――はっ はっ はっ。いまはそういう時代ってことよ。
・・・そういう馬鹿な冗談を言って、北の岬で遊んでいたのである。
また、しばらく行くと、
こんどは小さなトンネルを抜けて・・・、
積丹岬「渚百選・島武意海岸」。
渚百選と言われなくても、水清く美しいことは一目瞭然である。
――これは、冗談ではなくて本当の話。
――ほら、あれが二ツ石。
・・・奇岩織りなす難所だった海岸線も、
いまでは立派なトンネルが出来て、難なく通過してしまうが、
旅行者には、風景が見えなくなって・・・
という思いがトンネルへ入る度に募って行く。
除雪とか落石を思えば、道路管理はやれやれと言うところだろう。
そういう訳で、積丹半島を廻る旅は、トンネルツアーでもあった。
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