MENU

■バイヤーの失敗作

・・・年の瀬を控えて、
写真ファイルにこんなものが出てきた・・・。
そういえば、このモルトのスペシャルバージョンを入手して、
モルトグラス君や何人かで、
ささやかな内輪のクリスマスを、CLUBでひらいたな・・・・。

そうか、このボトルは、大陸横断鉄道開通の年か・・・。
――うーん、貴重な代物だ。
そうか、このボトルは、ヒコーキの航路が開かれた年の物か・・・。
――うーん、貴重な代物だ。
そうか、このボトルこそ、あのT型フォードが発売された記念すべき年の物か・・・。
――ウーン、なんだこりゃ。
そうか、このボトルこそ、あのタイタニックが就航した年の物か・・・・。
――ウーン、何か解るか。
――さっぱりワカラン。

そんな具合に、話題性抜群の、貴重なレプリカボトルを、
楽しんだわけですが、
しかし、
しかし・・・・、
しかし・・・・・・・、

外箱の話題性とは別に、
肝心の、ボトルの中身に関して、
まったく何だか実感が湧かない。
ピンと来るものが無い・・・。

それは、我々バイヤーが、まだまったくの未熟者で、
その昔々の、レシピとかを味わう域に達していなかったのでしょう・・・。
・・・と、45歩くらい譲って、何とかその場を、クリアしたのでしたが、
なんだかバイヤーとしては、お互いにどうも、
割り切れない年の瀬を過ごしたわけです。

これこそ、まさに、
パッケージとうたい文句に、引かれた貴重な体験として、
ココロに深く、刻まれた、記念すべき、
バイヤーの「失敗作」なのでした。

自らの「未熟」を棚に上げて、
それをナゼ「失敗作」と断言するのか。

それは以後、末永く、CLUBの棚に、
お供え物のように、このボトルが鎮座して、
このボトルをリクエストする会員は誰一人現れず、
やがてCLUBの伝説となる、「不動の三大モルト」、
「★スペイバーン」とか「★・・・・」とかの、
仲間入りをしたからなのです。

ほんとうに、
味覚は保守的に出来ていて、
なかなか一筋縄ではゆかないものなのですね・・・。

・・・このシリーズ。そういえば、5年位経っても、
空港の免税店の店先でいい値段して、見かけたな。
そのたびに、「クスッ」とひとりで苦笑いしていたバイヤーなのです・・・。

#■CLUB NEWS

この記事を書いた人