新聞の北海道のページに、
「ムラの宝物」として、ピョウタンの滝が紹介されていた。
「有名でないけど、訪ねてみるとなかなか味わい深い。
そんな地元の人しか知らないような、
魅力の場所を掘り起こす」のだそうだ。
・・・どこの地方でも、
そういう愛すべき場所は、かならずあるので、
大切にしたいものです。
中札内村のピョウタンの滝は、子供が小さいときに、
キャンプをしたり、社員を連れて林間でバーベキューをしたり、
マイナーだけど、平日などに訪れると、とても静かで、
束の間の別天地にいるようなひとときを過ごせる。
村の観光資源といっても、
商業主義とは無縁な、とても瀟洒な場所です。
毎年、夏が来ると、
ピョウタンの滝へ行ってみたくなるのは、
随分以前に訪ねた時に、偶然、
谷一面に、ふわふわと植物の綿毛が舞っていて、
それは新緑の中で、まるで雪景色のようであった。
その光景をまた観たいと、
夏が来る度に、思うのだけれど、
もう、あの綿毛の舞う頃だろうか、
とか思っているうちに、
季節は過ぎてしまうのであった。
映画で言えば、フェリーニの「アマルコルド」。
音楽で言えば、ストラヴィンスキーの「春の祭典」。
そんな世界を思い出させる自然現象が、
人知れず山奥の谷間に出現するのです。
滝の傍の案内板によると、
「ピョウタン」の語源は
アイヌの地名の=ピヨロ・コタン(ちいさな砂利の多いところ)
から来ているらしい。
昭和26年当時、ランプで暮していた流域の人々が、
自力で貯水ダムを作り発電所を設けようと、
苦難の末にやっと、三年後の昭和29年に完成し、
札内川流域の家々にも、電燈が灯ったのでした。
しかし、それもつかの間、
半年後の集中豪雨で、
貯水ダムはあっという間に、
土砂に埋もれてしまったのです。
その堤の名残が「ピョウタンの滝」なのです。
ピョウタンの滝は、
日高山脈の憧れ、
カムイエクウチカウシの登山基地でもあります。
滝の廻りは公園となっていて、
山岳センターでは、熊の出没情報をチェックできます。
#■TOKACHI