今日はインバネス(Inverness)付近の蒸留所を見学します。
複数の蒸留所を巡るので効率よく行動したいものです。
最初の蒸留所はClynelish。とても柔らかく上品なモルトを作ります。
見学者を受入れていますが、基本的に施設内は撮影禁止です。
今回はDiageo本社にお願いし、撮影の許可を頂きました。
ダメで元々と思いましたが、頼んでみるべきものです。
見学費用は5ポンド。ウェアハウスの見学は有りません。撮影も基本は禁止。
ポイントは木製とステンレス製を併用するWash-Backと、隣接する旧BRORA蒸留所の見学です。
隣接するBRORA蒸留所は随分前に閉鎖されてしまいましたが、施設は残っています。
また、ここに貯蔵されたシングルモルトBRORAはとてもおいしく、驚くほどの高値。
それだけにマニアックなファンの間では垂涎の一本として評価されています。
私も一回だけ飲みましたが、確かにおいしいです。
Clynelish蒸留所のシンボルはワイルドキャット。
この付近には昔から野生の猫が多かったのでしょうか?
ビジターセンターは小さいながら充実しています。
早速見学開始です。今回は私のためだけに特別の見学が行われました。
ありがたいことです。さすがDiageo本社様々です。
比較的大きなMash-Tunが有りました。
いつも思いますがMash-Tunは美しいと思います。
金属で覆われた不格好な形状、丸みのある曲線、中は荒々しいかき混ぜ棒の数々。
うっとりするのは私だけでしょうか?
毎日フル稼働のMash-Tun。ご苦労様です。
あなたが毎日マゼマゼするから、酵母がデンプンを分解できるのです。
一方こちらはWash-Back。多くの蒸留所では木製のWash-Backを使います。
木製の方が、周囲に付着している微生物による発酵補助効果が高いらしい。
Wash-Backを見ると、私は生命の息吹を感じずに入られません。
初めは沸々と、真ん中は洗濯機のように激しく攪拌され、、最後は穏やかに静置される。
この一連のステージをそれぞれ見ると、まさに生命の不思議を感じます。
Clynelish蒸留所は実験的に2つのステンレス製のWash-Backを用いています。
木製に比べ大きな違いはあまりないようです。
2つの種類のWash-Backを使う取組みは面白いですね。
Still-Houseには入る事ができませんでした。何やら秘密があるようで入室禁止の様子。
残念です。
見学の後半は、BRORA蒸留所施設の見学です。最初はウェアハウス。
ここにマニア垂涎のモルトが眠っています。
ちなみにClynelishの場合は、蒸留されたニュースピリット(New-spirit)はこの地では
樽詰めされず、グラスゴー郊外にあるDiageoの倉庫で保管されています。
蒸留所から毎日タンクローリーで運び出されています。
施設は閉鎖されてから相当年月が経っている様子。
Pot-Stillもそのまま残っています。少し手を加えれば、今でもすぐに使えます。
さあ、Clynelish蒸留所の見学はこれで完了です。
Still-Houseへ入る事ができず残念でしたが、やむを得ません。
次の蒸留所は更に南に下ったbalblair蒸留所です。
#2010 夏 Scot return