ポートアスケイグ(Port-Askaig)は小さな港町。
ポートエレン(Port-Ellen)に比べると、周囲にはホテルが数件しかない町です。
この港からJURA島とMAINLANDへのフェリーが定期的に出港しています。
特にメインランドへ向かうフェリーは15時半に出港し、17時半頃ケナクレイグ
(Kennacraig)へ到着します。
この時間のフェリーを利用するメリットは、メインランドに到着してから移動が楽な事。
ケナクレイグ到着後はキャンベルタウンへもオーバンへも明るいうちに移動が可能です。
午後のけだるい日差しの中、フェリーに乗って移動するのも楽しいですよ。
JURA島へのフェリー。フェリーと言うより渡し船です。車も数台乗ると満杯です。
潮の流れが速いので、まっすぐ進む事ができません。
蒸留所の定番のお土産。各蒸留所のモルトが混ぜられたlip-Creamです。
但しlip-Creamというより、ウィスキーを口の周りにつけている感じです。
強烈なモルト香ですから驚かないように。
いよいよフェリーに乗船。往路で乗船したフェリーと同じでした。
フェリーの中でUターンさせられました。
ケナクレイグに向けて出港です。
さすがに大きなフェリーなので、海流に流される事は有りません。
力強く進んでゆきます。
さて、この先の予定ですが、ISLAY島からORKNEY島までMAINLANDを縦走します。
距離にして450km。東京からだと仙台や岐阜付近までの距離。
しかも高速道路などは無いため、ずっと下道を走ります。
但し、日本と違い、信号などは有りませんし、制限速度も街中以外特に有りません。
一見楽なように思えますが、鹿などがよく飛び出して来ます。
完全に真っ暗、道路上には自販機やコンビニなども有りません。
いろいろと立ち寄りながら行く予定なので、想定では9時間近く掛かります。
早くても午前3時ごろフェリー乗り場到着ですね。さあ、出発です。
立ち寄りのメインは当然STONEです。
コース上にキルマーティン(Kilmartin)という広い渓谷があります。
ここにはたくさんのStone-CircleやStanding-Stoneがあります。
バリミーノフ(Ballymeanoch)のStanding-Stone群。
手前に2つ、奥に4つ立っています。
きちんと一列に並んでいる事がわかります。見事な造形です。
ネザーラーギー(Nether Largie)のStanding-Stone群。
今にも動き出しそうな形状の石です。
わざわざこの形状の石を用いたのか?削ってデザインしたのか?
いすれにしても、何かの意図があったものと思われます。
すぐ近くある、倒れかけたStanding-Stone。
多くの石は、土の中に50センチほどしか埋まっていません。
長い年月の間、立ち続けている事が逆に不思議です。
先端だけが折れてしまったStanding-Stoneもあります。
近くには「直さないで下さい」との看板もありました。
テンプルウッド(Temple-Wood)の名が付いた、Stone-Circle。
数多くのストーンサークルが有りますが、特異的な存在です。
とても不思議な気持ちに包まれます。
海を見下ろす高台にも、孤高のStoneが立っています。
どのよう意図で作ったのものなのでしょうか?
さあ、眼福に預かった後は、走るだけです。
スコットランドの9月上旬では20時ぐらいまで外は明るい。
走るのはとても楽です。途中のスーパーで食料などを買い込み、先を急ぎます。
コース的には ケナクレイグ→A83→A816→A85→A828→A82→A9→サーソ
となります。
→夕闇に染まるオーバン(Oban)
→大雨のポートウィリアム(Port-William)
→真夜中の真っ暗なネス湖(Loch-Ness)
→深夜でも眠らない街インバネス(Inverness)
→スピード違反で捕まったブローラ(Brora)
→大霧のラセロン(Latherone)
→終着の港サーソ(Thurso)
と、無事に走りぬきました。
ブローラでは、街中を走行する際に制限スピードを守らず、警察のお世話になりました。
幸い処罰は無く注意で済みましたが、一時はどうなる事か不安でした。
特に困ったのは飲酒運転を調べる機器。
この時間、飲酒はしていないため全く問題は無いのですが、機器自体が外人サイズのため
満足な量の吸気を送り込むことが出来ず、大変でした。
現地到着2時半。
予定より早く着いた為、フェリー出発まで仮眠することにしました。
しかし、あまりの寒さ(外気温10度)に途中で何度も目覚めました。
さすがに風が吹きぬける港だけあります。
無事朝一番のフェリー(8時半発)に乗船します。
目指すORKNEY島は霧の中。この付近の海流は常に大暴れのため、船が良く揺れます。
メキシコ湾海流が直接当たる外海のためかも。
天気予報ではORKNEY島は嵐。さて、どうなる事でしょう。
#2010 夏 Scot return