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イチローズモルト 秩父 ザ・ファースト/「BAR Te・Airigh」横田武志さん

家業の買収、ウイスキーの廃棄処分危機などさまざまな試練を乗り越えて、秩父蒸溜所が稼働したのは2008年2月のこと。今やニューボトルがリリースされれば即完売になる、大人気の蒸溜所だ。前年に秩父駅の近くで店を始めた横田武志さんは、その苦労と再興を最も近くで感じていたバーテンダーかもしれない。

蒸溜開始から3年が経った2011年10月10日、大宮パレスホテルで「第1回埼玉ウイスキーセッション」が開催された。待望の3年ものである「イチローズモルト 秩父 ザ・ファースト」のリリースパーティをしようと、埼玉のバーテンダーたちが団結したのがきっかけだ。スコットランドでは、最低3年間の樽熟成が義務付けられているが、日本においてその規定はなく、3年経たずともウイスキーと呼ぶことができる。しかし、やはり3年という月日には重みがある。

本来なら、この会は秩父でバーを営む横田さんが任されるはずだった。しかし、その頃は未だ若く自信がなかったため辞退してしまった。

「でも、先輩方がいつか必ず秩父でやろう、と後押ししてくださって。2014年、皆さんに助けられてようやく『秩父ウイスキー祭』を開催することができました。このボトルを見ると、仲間の大切さを感じます」

現在、秩父蒸溜所の傍近にある畑で横田さんの所属する会社がローカルバーレイを仕込んでいる。これが世に出れば、麦芽の製造からボトリングまですべて秩父産に。始まりを思えば想像もできなかった日が、近い将来訪れる。

横田武志氏
BAR Te・Airigh
埼玉県秩父市宮側町8-4 第一石田ビル1F
0494-24-8833
17:00~01:00
水曜休み

絵:佐藤英行 文:いしかわあさこ

 

#思い出のボトル

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