MENU

「特急ひばり」で仙台へ その2

さて、「特急 ひばり」は定刻通りに上野駅を発車しました。ホームを出てたくさんのポイントを通過し、地上ホームから出てきた線路と合流するあたりで、ガキの頃に「これからおばあちゃんの家に行くんだぁ・・・」という何とも言えぬ高揚感があったのを思い出しました。まぁそのときの列車は「ひばり」ではなく、「やまびこ」や「はつかり」だったわけですが。

今回の列車は臨時列車ではなく、あくまで団体専用列車という形です。JR東日本の旅行会社である「びゅう」が企画して車両をチャーターした格好。そのため他の列車のダイヤを一切いじくらないで走ります。結果宇都宮までは一般の普通列車の後を走る形になり、何とも遅い。今回の所要時間は上野~仙台でなんと5時間30分。。。当時の「ひばり」は3時間30分程度で結んでいたようなので、ずいぶんチンタラ走っていく感じになります。ちなみに新幹線「はやて」は東京~仙台を1時間40分程度で走ります。今回の「ひばり」が宇都宮に着く頃までには「はやて」は仙台に着いている計算ですね。。。

出発してまもなく、旅行会社の社員さんから今回の「ひばり」の時刻表が配られたのですが、これがまたすごい!一般の時刻表ではなく、運転手や車掌が見る、いわゆる「運転時刻表」でした。上野~仙台までの全ての駅、しかも貨物駅や信号所までも乗っている秒単位の時刻表です。画面右にある数字は到着、通過の番線、「下本」とは下り本線を指します。こんなマニアックは時刻表をくれるなんて凄いサービスですね。


暫くすると、黒磯駅に到着。黒磯では架線の電流を直流1500Vから交流20000Vに切り替るというイベントがあります。近くに地磁気観測所があるため、大電圧の直流電流を流せなくなるのです(磁場に影響を及ぼすため)。この作業は東北本線だけでなく、常磐線も取手以北、つくばエクスプレスも守屋以北でこのような切り替えを行います。最近の電流切替は、走っている最中にデッドセクションという無電区間を惰性で走り、その間に車両側で切り替える作業を行います。黒磯駅もそれは可能ですが、今回は駅の停車中に切替を行ういわゆる構内切替を行ってました。構内切替は簡単に言うと、

ホームに侵入
 ↓
パンタグラフを下げて電車の電源を切る
 ↓
架線に流れている直流電流を交流電流に切替
 ↓
車両の受電系統を交流に切り替え
 ↓
パンタグラフを上げて電車の電源を入れる
 ↓
発車

という手順を踏みます。詳しくはこの電流切替のみを特集したマニアックなサイトもありますから参考にしてください。非常に詳しく説明がされています。写真はパンタグラフを下げたところの写真です。


パンタグラフを下げると電車に電気が供給されないわけで、その間は当然のことながら車内は真っ暗。エアコンも効きません。この直後に架線の電流が交流に切り替わって再度パンタグラフが上がり、車内に電気が流れ始めます。



その後交流区間をひた走り、郡山へ到着。ここでも12分ほど停車。今回の列車はいちいち停車時間が長かったですねぇ。そのたびに車内から人がいなくなってこの485系の写真撮影会になってました。


郡山駅で感動したのが、この歓迎の幕。イベントを盛り上げようという”やる気”が伝わってきました。1本の電車のために、よくここまでやるなぁと感心してしまいました。


この停車中に一番前まで行ってみると、なんと前後でヘッドマークが異なっていることを発見。仙台側は無地のひばりヘッドマークでした。芸が細かいなぁ・・・


さらに走って行くと、岩沼で常磐線と合流し、さらに名取で仙台空港線と合流、一路仙台へ向かいます。この頃になると、車内で記念乗車証が配られ始めました。いいねぇ。普通の特急料金よりチョイ高いくらいで、いろいろなものがつきますね。硬券切符みたいな乗車証でした。


仙台へ着くと、また垂れ幕でお出迎え。いいですなぁ。


ホームに降り立った後は、記念のお弁当と記念品をもらって解散。でも納得がいかないのは、車中では弁当を売っておいて、仙台に着いてから弁当を渡すってどういう事なのかと。しかも16時前に弁当をもらっていつ食えと?この辺は非常にいただけないと思いました。仙台に着いたら牛タン食べに行くと決まってましたからこの弁当は食べられない。結局家まで持って帰ることになりました。


でも、家についていざ弁当を開けてみると、なんと
そこには特急ひばりがほかにも牛タンや仙台麩、笹かまぼこ、ずんだ餅と仙台名物が盛りだくさん弁当の内容自体は非常に満足度が高いものでした。しかもこの弁当は今回のひばりの乗客のために特別に作られた非売品。本当に感動モノです。これをひばりの車内で食べられたらどれだけよかったことか。今回の旅行で唯一悔やまれる点でした。


しかし、総じて楽しい乗り鉄旅行になりました。いわゆる鉄道マニア向けの列車の旅ってこんなにもマニアを楽しませるものなのかと驚きました。機会があればまた乗ってみたいですね。仙台到着後はしっかりと牛タン定食を食べました。


お土産はやっぱり酒。仙台に行ってウィスキー買ってこなかったらウスケバブロガー失格ですからねぇ。今回は仙台地区でしか売っていない限定品。
ニッカの伊達です。宮城峡モルトと宮城峡グレーンをマリッジさせたブレンデッドです。といっても、ラベルを見れば分かるとおり年数表示もなければヴィンテージもありません。価格も2千円弱とあって、まぁそれなりの味です。でも宮城峡のオレンジ香はしっかりといった感じ。家でちびちびやってます。

この記事を書いた人