MENU

ハイランドパーク垂直テイスティング

2005年7月9日(土) 午後2時30分から Bar Fingalにて
スコ文研主催のハイランドパーク垂直テイスティングが開催された。
テイスティングアイテムは、以下の6種。
(1)Highland Park 12yo OB
(2)Highland Park 18yo OB
(3)Highland Park 25yo OB
(4)Highland Park Bicentenary 1977
(5)Highland Park Online Tasting 1974
(6)Highland Park 1958 40yo

午後2時半、夕方から雨との予報であったが、まだ強い日差しが神楽坂を照らしていた。汗を拭きながら会場であるFingalの前へ近づくと鹿島のÅさんと出会う。こんちは、とあいさつもそこそこに店の中へ。店の中はクーラーが効いており、汗がすっと引いてきた。スコ文研のI女史に会費を払い、カウンターに陣取り、テイスティングマットに目をやる。カウンターの中央にはスライドの映写機が据えてあり、準備万端整っていた。
やがて、一つ目のアイテム(12年)が配られ、土屋氏の口上があって、12年ものを飲みながら、オークニー島のスライドの説明が始まった。どれも見たことのあるスライドではあったが、ハイランドパークを片手に見るスライドはスコットランドに行った事の無い私でもはるかオークニー島に連れて行ってくっれた。
さて、ハイランドパークは現在もフロアモルティングを行っている数少ない蒸留所の一つであるが、自前のモルティングだけでは足りず、同じエドリントングループであるタムデューからノンピートのモルトを調達し自前のピーテッドモルトとブレンドして使っている。そんな話を聞きながら1杯目のアイテムが飲み干され、次々とアイテムが配られた、最後の19958を除いて。
ここで、(1)から(5)までのテイスティングノートと点数を記録する。点数は、香り、味わい、余韻、バランス、好みを各10点でつけた合計50点満点である。
(1)8+8+7+8+8=39点
赤ワイン様のフルーティな香りとミント、時間がたつとピート香が目立ってくる。口当たりが柔らかく旨味があり、最後に塩味が感じられる。最初はあまり甘味が感じられないが、これも時間を置くと甘味がはっきりとしてくる。心地よい余韻がのこるがあまり長くは無い。バランスはいいだろう。
(2)8+9+7+8+8=40
熟した果物とピート香、時々フーゼルっぽい香りが感じられる。12年よりはしっかりしているが柔らかい甘さと旨味、バニラも感じられる。
(3)8+8+7+8+8=39
シェリー樽のカスクタイプ、香りも味もシュリーだが嫌味は無い。良いシェリー物である。
(4)8+8+7+8+9=40
点数こそ40点だが、好み点は後で挙げる1958と同じ9点をつけた。
鼻にすっと抜ける甘い香り、青草っぽいところもある、鯵も爽やかで、枯れ系でカブトムシ系である。最初は???であったが、次第に良くなり、結構気に入った一杯である。手に入るのであれば...
(5)8+7+7+7+7=36
今日一番の酷評、最近苦手になってきたシェリーの悪いところが出ているボトル。
シェリー樽特有の香りと焦げ臭(硫黄系)、いい甘味もあるが渋味と苦味が後味に残る。これと比べると同じシェリー樽系の25年の方が数段上。

さて、ここまで参加者全員が自分の主張を言い合い、自分の好みはこれであると酒飲みの主張で盛り上がっていたが、最後に本日の真打登場。1958年蒸留の40年物である。当時、蒸留所では1000ポンドでうられていたそうだ。土屋氏も売店に残った最後の一本を売ってくれといったが、1000ポンドでも売れないと断られたそうだ。がっちりとした木のケースに豪奢なデキャンタと共に収まっていたそのボトルは目の前のグラスの中で輝いている。こういうときは自然と頬が緩んでくるものだ。
(5)9+8+8+8+9=42
過熟したフルーツの香り、長熟モルトの行き着く先はやはりここなのかもしれない。スモーキーさも十分感じられる。柔らかい上品な甘さと熟成感、余韻は長く楽しめる。ゆっくりゆーっくりと楽しみたいモルト。

6つのアイテムを楽しんだ後は、いつもながらキャッシュオンでFingalのマスターにおねだりが始まった。ロングモーンやバンクなどが飛び交っていた。一応4時半に終了、予報通り振ってきた雨の神楽坂を下っていき、小腹を満たそうと入ったファーストフード店で何故か爆睡してしまったGIANであった。
(終わり)

#イベント

この記事を書いた人