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暑い日には、氷とドランブイ

9月になったというのに、まだまだ暑いです。
みなさま、残暑お見舞い申し上げます。

こう暑いと、シングル・モルトよりも冷たい飲み物のほうに手を伸ばしてしまいますが、
私は、暑い日には、ドランブイのロック “DRAMBUIE ON ICE” をよく飲みます。

ドランブイは、熟成15年以上のハイランド モルトを中心に、ヒースの花の蜂蜜とハーブ、スパイスをブレンドしたスコットランドのリキュールで、スカイ島で作られています。 ドランブイとは、ゲール語の”AM DRAM BUIDEACH” 『満足する飲み物』という意味だそうです。

ドランブイは、もともと英国のスチュワート王家に代々受け継がれてきた秘伝の酒でした。どうしてそれが一般にも手に入るようになったかと言うと…


1745年、英国で王位継承のための戦いが勃発。
スチュワート王家の流れをくむチャールズ・エドワード王子は兵を挙げ、ロンドンまで130マイルのダービーという所まで進撃したが、カローデンの戦い (the Battle of Culloden Moor) に破れスコットランド西部に逃れた。この時、敗れたチャールズ王子を助けたのが、地元の豪族 ジョン・マッキノン。当時、チャールズ王子には3万ポンド(現在の価値にすると1500万ポンド)もの賞金が懸けられていたが、マッキノン家はチャールズ王子への忠誠を貫き、チャールズ王子をスコットランド北西にあるスカイ島からフランスへ亡命させた。
チャールズ王子は、マッキノン家の献身的な忠誠に感謝して、王家伝来の秘酒「ドランブイ」の製法を授けた。その後も、この製法はマッキノン一族の間だけで伝えられていたが、1906年、マッキノン家の子孫がこの伝来の製法をもとにドランブイを商品化し世に広めた。けれども、その製法は今なお門外不出。その心意気は、ボトルに記されている「Remember the gift of the prince」に表わされている。


ドランブイを使ったカクテルに、ラスティ・ネールがあります。
氷を入れたグラスに、ドランブイとスコッチ・ウィスキーを注いだものです。オリジナルのレシピは、ドランブイとスコッチ・ウィスキーが1:1の割合いですが、それではちょっと甘すぎるのか、日本では1:2のようにウィスキーを多めにするのが一般的なようです。

私は、バーで飲むものに何を選ぶか困ったときに、このラスティ・ネールをよく頼みます。
気の利いたバーだと、「スコッチは何になさいますか?」と尋ねてくれるので、「タリスカーで」とお願いします。たまに、一瞬「えっ?」という顔をされることがあるのは、きっと頼むのがブレンデッド ウィスキーではないからでしょう。

タリスカーを選ぶのは、スカイ島つながりということもありますが、タリスカーの力強さ、潮っぽさが、ドランブイの蜂蜜の甘さとよく合うと思うからです。
よければ、一度お試しを。

ところで、このドランブイには強精効果もある…ように思うのは、私だけでしょうか U^ェ^U

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