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バレンタインの日に

昼休み、チョコレートの香りがそこはかとなく漂うオフィスを歩いていると、
ひとりの女性社員から呼び止められた。

 「手を出してください」

そう言われ、そっとぼくが手のひらを差し出すと、
彼女は、女性社員の人数と同じ粒数の麦チョコを、袋からパラパラとのせて、
「みんなからの気持ちです」と、にっこり笑って立ち去った。

手のひらの上で溶けはじめた麦チョコを見つめ、ぼくは思った。
『・・・嫌われてるかな』

#日記

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