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【E】 EDRADOUR / エドラダワー

ハイランド地区E

【E】 EDRADOUR / エドラダワー

●ウェブ・サイト・・・・http://www.edradour.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Pitlochry, Perthshire
●創立・・・・・・・・・1835年
●所有者・・・・・・・・Signatory
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×2基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ベン・ヴラッキーの湧き水
●ブレンド銘柄

クラン・キャンベル
ハウス・オブ・ローズ
キングス・ランサム

*ブレンドされているのかは微妙だがクラン・キャンベルだけは現在も国内流通している。

こちらのブログを見ている人はほとんどご存知だろうが、クラン・キャンベルを除いた上記2種のオールド物は、名ブレンダー・ホワイトリー渾身のブレンデッド・ウイスキーな為か、スコットランド最小蒸留所のエドラダワーの良かった時代だからなのか、非常に人気が高く、特にキングス・ランサムは漫画レモンハートなどで、マスターも飲んだことが無い幻のウイスキーとして紹介があり、その妄信的とも言える評価はいまだ衰えていないようだ。

2002年、インデペンデント・ボトラーのシグナトリーより買収され、一時期のガッカリするような味わいからは徐々に良い方向へは向かっていると思われるので、上記ブレンデッドの復活(希望)を含め、今後の動向は目が離せないと言えよう。

【ティスティング No.86】

エドラダワー 10年熟成 43% 蒸留所詰め
For Japan(ペルノ・リカール・ジャパン), 90”s Rotation

*恐らくこのボトルの最終形だと思う。

【色】
黄褐色。(チャート1.3~1.4)

【香り】
カラメル、ワックス、ゴム。濃いデメララ・ラムを希釈したようなニュアンス。

【味、フィニッシュ】
クリーミーさの次にカラメルの甘さ。麦芽の美味しさもあるが、取って付けたようなシェリーのニュアンスがスポイルする。アフターも長いがここでもシェリーと麦芽が交差する。タンニンは完全に裏方さんって感じだ。

【総評】
このボトルの後に続くダンピー・ボトルよりは幾分マシだが、本当に美味しいエドラダワーとはかけ離れた味わい。一体感の無い取って付けたようなシェリーのニュアンスには閉口する。

恐らくは90年代初頭位までが、いわゆる蜂蜜&クリーミーなエドラダワーの黄金期でしょう。また、確かにその頃に飲んだエドラダワーの印象は忘れ得ぬ記憶になっているので相当美味しかったんだと思います。

ここ数年、こういった分かりやすい強い味わいが多くなっている傾向があるかと思いますが、樽から長年月かけて溶け込んだ物との違いはアリアリとしており、本当の、いや本来のウイスキーの形とは全く別物感すら覚えます。

ま、分かりやすさから言えばシングル・モルトの入り口的にとらえ、飲み方も自由に選択して頂くことも出来るので、アイテムとしてはアリだし、私からわざわざ「それは違う!」などと言うつもりは有りませんが、ナチュラルなウイスキーへの示唆はウイスキー・ラヴァーへだけで無く、一般の方へも伝えることをプロなら考えて欲しいとは思う。

ちなみに、このボトルの裏ラベルには真っ正直に「着色料(カラメル)」と書いてあるので少し笑える(笑)。

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