MENU

楢の樹、燃える(4) 違和感。

先日、土木現場で働く友人から栗の大樹を3本切ったとの連絡を受け、貰い受けにいってきました。
現場は、山裾だったのですが、今年は全く雪がありません。
軽トラックでひとまず1台分、運んできました。

直径40cm以上、年輪を数えると36ほどあり、自分の年齢に近いということが解りました。
それだけの年月があれば、これほど大きな樹になるなるのかと思うと、感慨深いものがあります。

ウィスキーをお供えしてから仕事に取り掛かる。
ウィスキーは樽=樹と関係の深い酒です。
森の恵みに感謝を捧げるとき、ウィスキーほど適したものはないと思う。

白州で満たした錫の盃をぐっと煽ると、数瞬を置いて腹の底に暖かさが広がる。
こわばった体も、外気に馴染んでくる。
この栗の樹は、開発の際に山で伐採された樹だ。
もともとは、里山の栗。
もう、あの場所では、循環は行われない。

楔が必要かと思ったのですが、硬い山栗ではなかったので、いけそうな気もする。
たてつづけに数回斧を打ち下ろすと長い年月の間続いた緊張が突然解けて、裂け目が走る。

雪のない冬。
こんな冬は、37年間で初めてかもしれない。

この記事を書いた人