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締めの締め Glenfarclas 5yo Italy

 今年の外飲みの締めということで、
 花と果実が溢れかえる素晴らしいモルトを開栓でいただいて、
 さて、終わろうかと思いきや・・・

 何故かまた、次が出てくるんですけど?

 Italy向けの短熟モルトは、
 促成栽培の安酒というイメージがあります。

 しかし、アンコールで締めの締めをするということは、
 ただじゃ済まないんだろうなぁ
 60年代蒸留の素質を見せつけてくれるということかな?

 Glenfarclas 5yo 1966 40% 75cl J.&G. Grant Ballindalloch
  麦感が素晴らしい。
  のびやかに麦、バニラ、木材。
  はちみつを載せたパンケーキ。
  よく熟成したバナナ、熱を加えた熟したリンゴ。
  カスタードクリームのパン。
  甘くなり過ぎず、レモングラスをわずかに伴って、
  短熟ならではの切れのよさを見せる。
  若いがニューポッド感や荒々しさは全くない。
  フィニッシュにも麦と甘さが残るが、
  しつこくなく切れあがって行く。

 何だこの5年は?

 Italy向けに輸出される5年や7年は、
 安酒としての普及品や、カクテルのベースなど、
 モルトそのものをじっくりと味わうためのものではないと、
 てっきり思い込んでおりました。

 確かに、このウィスキーをもって、
 圧倒的に素晴らしいものだとはいえません。
 熟成感や複雑さ、余韻の長さというものは
 あまりありませんから。

 しかし、5年の熟成でこの味わいとは恐れ入りました。
 これが60年代半ばの酒質の素晴らしさを示すのか?
 そりゃこれをシェリー樽で長期熟成すれば、
 たんにシェリーの化粧でごまかしたようなものではなく、
 ベースのウィスキーをしっかり感じさせる、
 素晴らしいシェリー熟成モルトが出来上がるだろうな。

 これで、ホントに締めることが出来ました。
 今年一年、お世話になった皆様、
 どうもありがとうございました。

 では、良いお年を。

#Glenfarclas

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