さて、先の記事で、Benriachのリミテッドリリースで国限定ボトルが最も多い台湾ですが、2008年は次の6種類が出されました
(1)1980 28yo #4998 47.5% Classic Speyside
(2)1980 28yo #4999 53.5% Classic Speyside
(3)1980 28yo #5542 48.5% Oloroso sherry finish
(4)1980 28yo #7404 48.5% Gaja Barolo finish
(5)1991 17yo #6904 54.0% Claret Wine Barrel
(6)1991 17yo #6906 54.0% Claret Wine Barrel
台湾限定は日本では珍しく思いまして、結局これらを全種類購入しました。
バーに嫁入りさせたり、手元に残したり、その両方にしたものもあります。
今手元にあるのは、(2)、(3)、(4)で、その内、開栓済みなのが写真の(2)、(4)になります。
では、その味はといいますと。
(2)1980 28yo #4999 53.5% Classic Speyside
香りから柑橘系+バニラで期待は高まる。
口に含んだ瞬間から、柑橘のさわやかな果実が口中に広がるが、すぐに皮か白いわたに変化して、アルコール感とともに苦みを伴う。
バニラと蜜、すこしチョコもあるが、皮orわたの苦みが、その甘い香りに打ち勝ってしまう。
1980としては期待以上だけれど、70年代と比べようかと思った矢先に、苦みにやられてしまう。
透明感のある桃というには遠い。
悪くはない、というかかなりうまいけれども、ホップ・ステップの後、最後のジャンプに欠けて、70年代には迫れない。
(3)1980 28yo #7404 48.5% Gaja Barolo finish
これは、不思議なボトル。
長熟のBaroloフィニッシュを試したくて、手元に残した。
開栓当初は、強いウッド感とスパイシーで、他の香りや味を感じる余裕がないほど。
新樽系は苦手なので、ちょっと敬遠気味であった。
1/3を経過するあたりから、こもるようなウッドが抜けて、Baroloなのかこってりとした甘みがくっきりとして、果実味とあいまって非常にいい感じになった。
最後の1/3から1/4になって、フィニッシュの味まで抜けたのか、ちょっと間の抜けた味わいに落ちてしまった。
これが、フィニッシュのダメなところなのだろうか、それとも普通によくあるへたりであって、フィニッシュのせいではないのだろうか?
いずれにせよ、これだけピーキーなボトルは、家飲みでは(バーでも?)扱いづらいなぁというところ。
結果して、いずれのボトルも面白いものであったが、手放しで感動できるのかといえば、それにはまだまだ及ばないと思いました。
#4999 Classic Speysideは、果実の弾けがさすがBenriachのバーボン樽という感じでしたが、苦みが透明感のある桃と阻害していて、もうひと押し残念であった。
#7404 Baroloは味の変化が大きくて楽しめるのではあるが、それは結局フィニッシュの技に惑わされているだけのような気がしてしまう。
結構、無理に味をつけているのか、最初はムッとするくらいの樽感だが、最後は全く抜けてしまっている。
うーん、これだけでは台湾限定ボトルの真価を定めるには至りませんねぇ。
後日には、2009年の台湾限定ボトルに触れたいと思います。
では、おやすみなさい。
#Benriach