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Wolfburn ウルフバーン蒸溜所 レポート #4

蒸留所レポートなので、設備の詳細もお伝えしておきます。ここは基本的にフォーサイス社にプラントを丸ごと任せたようで、ほぼ全てにおいて最新鋭の設備を導入しています。

モルトはまず、コンベア(先に紹介した建物の外で剥き出しの)でサイロに送られます。サイロの容量は36トンが2基。

ミルはアランルドック社製。秩父と同じですね。モルトは、ノンピートのオプティック種。

ウルフバーンの仕込みは、ワンバッチが1.1トン。マッシュタンのお値段は10万ポンドもしたとか。

第一麦汁は64.5度で4,400リッター。第二麦汁は78度で1,000リッター。第三麦汁は82度で4,000リッター。5.5〜6時間かけて、計5,000リッターの麦汁を抽出するとのこと。

ウォッシュバックはステンレス製の密閉型が3基。60時間の短時間発酵が週に3仕込み。90時間の長時間発酵も同じく3仕込みで、合計で週に6バッチ。アルコール度数は9%になるそうです。

ポットスティルは、初留がストレート型で容量5,000リッター、5時間かけて蒸留し、ロウワインは23〜24度。

再留はバルジ型で容量2,900リッター、4時間の蒸留で、ニューメイクは約69度だそうです。コンデンサーは見ての通り、ともにシェル&チューブです。

年間の生産能力は11万5千リッターといいますから、キルホーマンやBOXとほぼ同じくらいのレベル。いわゆるクラフト・ディスティラリーの標準は、年産10万リッター前後なのでしょうね。

そして、最後にウルフバーンのアイコンとなる、赤茶色のふたつの大きなタンクをご紹介します。なんとキャパドニックのウォッシュバックを持ってきたそうで、確かに上の方にプレートがありました。

容量はおそらく各1万リッターを優に超えていると思いますが、ここの生産能力に似つかわしくない巨大さ。スッキリとした工場内で、異様な存在感を放っています。実は発酵槽として使っているのではなく、貯水用なのだそうです。

なぜ、こんなに巨大な貯水タンクが必要なのか? その答えは、次のレポートでお伝えします。

つづく

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