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■「旅」の余韻。 


街には、その街独特の「かほり」がある。
そして、ホテルの部屋にも、そのホテルのセンスが「かほる」。
ホテルへ着くと、部屋にはかならず、ほのかな香りが漂っていて、
ああ、外国へ来たのだなあ。と実感する。

べつに気に留めている訳ではないのだが、
NYにはNYの、パリにはパリの、
その「かほり」は、記憶の底に留まっていて不思議なほどだ。

そうして一週間ほどして、
ようやく街に馴染んで来たと思う頃、
旅は終りとなって、帰らなくてはならない。

そんな時、
わたしは、ちょっとしたポプリとかを買って帰るのだ。

今回の旅の「かほり」は、「アーモンドソープ」だ。
これは世界で最も歴史の古い薬局のひとつといわれる、
フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局で買い求めた。
この薬局は1612年創業とあるが、
1221年頃からすでに薬草の調合を始めていたという。

・・・そうしていま、日に幾度か、
石鹸で手を洗う度に、
ほのかに漂う香りの中に、
「旅」の余韻を楽しんでいる。

#■JOURNY

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