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■映画の中のヴェネツィア 


2010年3月17日12:00 サンタルチア駅に降り立つと、
駅前の人々が、マネキン人形のようにフリーズしている。
が、どの人もファッションがとってもおシャレ。

――あれ、何かあったのであろうか。
――なんだ、映画のロケだ。

なになに、『The Turist』、あの「善き人のためのソナタ」の、
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督(2011年公開予定)

――キャアっつ、アンジェリーナ・ジョリー。
――キャアっつ、ジョニー・デップ。
――あっっ、ブラッド・ビッドだ。

と橋の上から、人々が叫んでいるようにも見えたが、
・・・それは、帰ってから、ネットを見て分かった事で、残念。
もうひと押しして、見学していればよかったな。
アンジェリーナが、ブラビが、ジョニーデップが、
すぐ其処に居たんだもんな。

――そういう訳で、映画の中の、ヴェネツイアを思い出していた。

まず、アタマに浮かぶのは、
■『ベニスに死す』 ルキノ・ヴィスコンティ監督。
  ・・・この作品を思い浮かべて、はじめてヴェネツィアを訪ねた時は感激した。
  ――映画はヴェネツィアが舞台だけれど、
  どのシーンも、映画の「物語の中の風景」に変容していて、
  さすがに、ヴィスコンティはスゴイと判った。
  そして永遠に、心の何処かで、美少年タージオの面影を探している。

それとは対照的に、どのシーンも観光気分で辿れるような、
懐かしさいっぱいの作品。それがキャサリン・ヘップバーン主演の、
■『旅情』 デヴィッド・リーン監督。
  映画のシーンを思い出して、
  ――運河の脇の小さなお店は、ここかしらとか歩くのもじつに楽しい。

・・・そうして世界中から、人々は、きょうも水の都を訪ねている。
百年前、英国の文豪ヘンリー・ジェームズも、ここを舞台に愛のドラマを描いた。
その映画化が、ヘレナ・ボナムカーター主演の、
■『鳩の翼』 イアン・ソフトリー監督。
  ・・・そうか。「鳩の翼」知らないか・・・。ヘンリー・ジェムズを知らない。
  ・・・そうか。「ノッティングヒルの恋人」とか、観たでしょ。
  ・・・あの、ジュリア・ロバーツのセリフに出て来たよな「鳩の翼」。 

英国といえば、シェイクスピアの
■『ヴェニスの商人』 マイケル・ラドフォード監督。
  アル・パチーノ ジェレミー・アイアンズ競演のこの作品が、
  「ヴェニスの商人」の、初映画化とは意外であった。

さらに言えば、英国といえば007だが、
■『007/ロシアより愛をこめて』 テレンス・ヤング監督。
  マット・モンローの歌が懐かしい。

そして最近作のボンドが007になるまでの物語。といっても、もう三年以上前か、
■『カジノ・ロワイヤル』 マーティン・キャンベル監督 
   この作品も、クライマックスは、やはりヴェネツィアが舞台でなくてはならない。

そして、『ショコラ』のラッセ・ハルストレム監督にも、ヴェニスが舞台の、
■『カサノバ』2005年がある。

そのほか、思いだすのは、オタール・イオセリアーニ監督の、
■『月曜日に乾杯』2002年。
  ・・・いいなあ、この映画。

・・・10年ほど前にけっこう話題になった、
■『幸せになるためのイタリア語講座』 ロネ・シェルフィグ監督。

――いま思いだすのは、こんなところか・・・。

 あら、あの男も、新型ヴィデオでムービー撮っている。
 なんだ、MACHANか・・・。

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