――都会を離れて、ずいぶん経つので、
たまに都会へ出ると、
ヒトの流れを、妙に醒めて観ている時がある。
それは、だいたいが駅とか、繁華街とか、
ヒトの往来の激しい場所でのことだけれど、
その流れの中にいると、
何か気持ちがわくわくしてくる一方で、
やがて草臥れて、何処かで寛げる場所も探している。
そう思うと急に、
何処にも居場所が無いような、気持ちに襲われて、
何処かのBARの扉でも開けてみようかとか思うけれど、
まだまだ、そんな時間でもない。
・・・そんな事を漠然と感じながら、
地下鉄を乗り継いで、空いた座席に腰掛けると、
周囲のヒトは、皆一様に、ケイタイの画面を見つめていた。
ヒトの流れにも、ある種のスタイルがあるのだった。
#■JOURNY