――旭川への道中、美瑛の丘へ寄り道した。
農道の影で、ヒマワリの花が咲き誇っている。
畑の向うはトンガリ屋根の美馬牛小学校だ。
子供たちはまだ勉強中だ。静かにしよう。
――その小学校のある、丘の道は、
「わ」「わ」「わ」と、レンタカーがびゅんびゅんと走り回っていて、
そうか、いまでは「美瑛の丘」は北海道一とも云える観光スポットなのだ。
「わー」農道を観光バスも行き来している。
スゴイ人気だぜ。
――これが、パッチワークの道か。
何処も彼処も、絵になる農道の丘の風景を、
ぐるぐると走り回っても、美瑛町には、
ちゃんと観光客向けに道路標識が完備されているのであった。
そして、丘の道には、電柱も無いのは、
ちゃんと意図されているのであろう。
――わー、クルマが集まっている。なんだあれは。
「これがケンとメリーの木でございます」
なるほど。
・・・いつの間にか、バイヤーも、写真愛好家を装って、
パチリ・パチリ・パチリ・・・・。
――「皆様これが、マイルドセブンの木でございます」
なんて言っているがどうかは知らないが、観光バスがゆっくりと通り過ぎる。
そして、「わ」「わ」「わ」。
しかし、いい写真がなかなか撮れないので、
ポイント毎に、やっぱり、ヘタッピーだなとつくづく思う。
――これが、「親子の木」だ。
・・・これらの「木」に、「わ」「わ」「わ」が集まっては、散らばってゆくが、
「木」は風景の中にあるのだから、
その「木」のまわりに集まったところで、如何と言う事はないのだが・・・。
ようやく、そういう考えに至って・・・。
――わー、砂糖黍畑の向うの空がきれいだ。
なんて走りながら思うと、
そこがかならず撮影スポットなのも「美瑛の丘」なのだ。
――そうして、3時間ほど丘の道をさまよって、
びえいの丘観光入門は終わった。
こんど来たときは、
やはり、この先のレベルの写真を撮らなくては。
・・・そういう、気持ちにさせるところも、
さすがに「美瑛の丘」なのである。
#■HOKKAIDO