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■昆布のはなし


                           ■HABOMAI  NAGAKONBU

――先日の、山人先生の話で思い浮かべる、「昆布」のはなし。
北海道に暮らしていたら、いや、ニッポンに暮らしていたら、
やはり、ちゃんと「昆布」ぐらいは、識らなくてはと思ったのです。

【昆布の種類】
■真昆布(まこんぶ)
函館から恵山岬、噴火湾沿岸に生育。
上品な甘みの澄んだしをとるための昆布として、大阪でよく使われているという。

■利尻昆布(りしりこんぶ)
利尻・礼文、稚内沿岸に生育している。
真昆布と同様、くせのない上品で澄んだだしがとれ、京料理に使用される昆布。

■羅臼昆布(らうすこんぶ)
知床・羅臼沿岸に生育している昆布。
正式には「利尻系えながおにこんぶ」と呼ばれる。
味が濃く、香り高く昆布の王様と呼ばれるが、だし汁に色がつくのが難点。

■日高昆布(ひだかこんぶ)
日高沿岸を中心に生育している昆布。
昆布の種類としては「三石(みついし)昆布」と呼ばれる。
繊維質が柔らかく煮上がりが早いので、佃煮など煮て食べる昆布に適す。
十勝沿岸の昆布もこの日高昆布。

■長昆布(ながこんぶ)
釧路から根室沿岸に生育している昆布。
全長が6メートルから15メートル程もある。
最も生産量が多い昆布で、昆布巻、佃煮等、煮て食べる昆布として使用される。

―――そういう訳で、バイヤーは過日コンブを買いにスーパーへ走った。
物心ついて、ニッポン人として、ちゃんと「うまみ」を理解しようと思ったのだ。

それにつけても、世の中は、すっかりイカレテしまって、
やれ、ケイジだ。やれ関鯖だ・・・。と懲りないアホ共がうるさい。
無いものネダリの情報が氾濫して、
そういう、みだらな、赤面モノのトリックから解放されるためにも、
まず、足元をちゃんと確認しなくてはならないのだ。

「昆布」の種類なんて知ってらあ・・・。
ではなくて、実際に、何処がどうして如何とやら。
を実感しようと思った次第だ。

そして、かの魯山人先生の書物の一節。

  ――昆布を湯にさっと通したきりで上げてしまうのは、
  なにか惜しいように考え、
  長くいつまでも煮るのは愚の骨頂、
  昆布の底の甘味が出て、決して気の利いただしはできない。

・・・・ギクッ。
・・・・そうはいうけど、山人先生。高いコンブが、惜しいでないの。

そういう未練を捨てきれないままに、半信半疑、
専門家の教科書も同時購入した。

『合せ調味料で和食名人』舛田三千夫著。(文化出版局刊)
「だしをとる」「うまだしゼリー」「玉味噌」「土佐酢」「万能つゆ」

・・・これは素人にも、
ちゃんと意図するところが伝わる、
つまり基本がわかるように出来ている。
最近は料理の本も、誠実な本が増えたのは好ましい。
ということは、料理本は、笑ってしまうような、みだらなインチキ本が、
じつに多いジャンルだ。という印象があるからだ。

  ――使ったコンブは冷凍して貯めて置き。
  貯まった所で、コンブの佃煮を作る。

びっくり仰天。
出しも、ともかくですが、それが、それが、アタリマエだけれど、
じつに美味しい「昆布の佃煮」が出来たのでした。
これはけっしてオーバーではなく。
偶然訪れた友人が、
「こんなウマイ昆布の佃煮は喰った事無い。何処で買った。」
としつこいのです。
そうだよな。
われわれは、じつは普段は、けっこうマズイものに馴染まされているからな。
酒にもいえることだけど・・・・。

そして、「日高昆布」「真昆布」「利尻昆布」「長昆布」の違いが、
この際、ハッキリと実感できたのでした。

――何処が如何違うかって、
それは自分で、ダシをとって、昆布の佃煮を作れば、簡単に解る事です。
いや、そうしないと、
物事は理解できないと思うのであります。

#■FOOD

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