・・・奈良時代、遣唐使によって九州にもたらされたといわれる「梅」。
ほのかな香りとともに、「春」を告げる花として、
バイヤーも事のほか「梅」に寄せる思いは強いものがあります。
いにしえより、「松竹梅」はニッポン人の美意識の象徴でもあります。
ところがギッチョん。
北海道は本州と植生が違うので、
本州のような松林も、竹林も、見かけません。
――北限の松は「黒松内」。十勝地方では「松」と言えば「落葉松」。
本州のような裏山の竹藪も見かけません。
ただ、「梅」だけは、「豊後梅」が庭にも花を咲かせます。
それで、北海道を外地。本州を内地。と呼ぶかどうかは知りませんが、
やはり北海道は、特に十勝の風景は、ニッポンの風土というよりも、
むしろヨーロッパの風景に似ています。
本州では、いま「お花見」で春を満喫しているけれど、
十勝では写真のように、庭の梅ノ木は、ようやく蕾が目立つ頃なのです。
それでも、やがて花が咲き、立派な梅の実がなるのです。
そうして丹精込めて、我が家の「梅干し」になります。
漬け込んでから、三年以上かけてようやく、立派な「梅干し」になるのです。
ですから家では、
「BUNGO CASK2003」 「BUNGO CASK2004」とか
シングルモルトのように、縁の下に貯蔵されています。
「梅干し」など、人にあげて、
邪魔者のように見向きもしませんでしたが、
肩こりが激しい或る時、
「梅干し」に含まれるクエン酸は、
疲労物質である乳酸の分解を助ける働きがあり、
「肩こり」などを緩和してくれる。なんて聞いてから、
急に重宝がるようになりました。
そして味わってみると、ほんとうに、すごく美味しいのでした。
この頃では、売られている「梅干し」が、
とても高級品にはなりましたが、
どれも甘くて、ワンパターンのものばかりで、
能書きがおおいほどに、熟成する時間を省いて効率を求める、
口実のように見えてしまいます。
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