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■余市から美国へ


――せっかく、余市のウイスキー工場を見学したからには、
積丹まで足を伸ばして、おいしい海の幸を満喫しなくてはならない。
そう考える事は、当然なのであった。

それで、シングルモルトと競馬が好きな同好の面々が、
夏の積丹半島へ向かった。
途中信号で止まったコンビニで、
到着したばかりの競馬新聞を買いあさり、
我々だけで、コンビニの競馬新聞が、すべて売切れになるという、
先制攻撃は見事なものがあった。

そして一同、岬の先端の丘に登り、
海に沈む夕陽に向かって、
これから始まる戦いの、必勝祈願を神妙に済ませ、
海の幸の夕飯に臨んだのである・・・。

――本まぐろ・蛸・ぶり・なんばん海老・生うに・・・、
そして蝦夷アワビ・モズク・真つぶ・・・・。
今更のように思うのだが、この辺りで、
打ち止めとしておけばよかった。
あとはウニ・アワビ・アワビ・ウニの波状攻撃に、
食卓は防戦一方であった。
しかし、敵の攻撃は、
さらに、ボタン海老・帆立・青つぶ・ヘラ蟹と止むことなく続き・・・、

やっとのことで、デザート停戦へ持ち込んだが、
食卓は手付かずの海の幸が、多く犠牲となって残された。
それで、アワビの丸焼きとかを人質に、部屋へ撤退したのだが、
誰一人、すでにウニとかアワビとかは見向きもせず、
けっきょくそのまま、満腹の睡魔に襲われてしまった。

・・・こうして「積丹半島夏の陣」は、
小樽・余市・美国そして札幌競馬場と、
各地に戦火を拡大させたが、
ひたすら腹だけは、満腹の、
無残な敗戦に終わったのであった。

――ことしは、場所を変え、
戦略も新たに、確勝を期して、
さらなる「夏の陣」に挑まなくてはならない。

#■HOKKAIDO

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