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■「ジャパニーズオーク」のカウンター

ミズナラ(水楢)=Quercus crispula=ブナ科コナラ属の広葉樹。
着色性に優れ、重厚感がある。特に北海道産のものが良質とされ、
「道産の楢」はジャパニーズオークと呼ばれている。

■――10周年を機会に、CULBに相応しいカウンターを設置しようという理事長の思いは、
二年越しでやっと、「ジャパニーズオーク」のカウンターとなって実を結んだ。
桜材の一枚板を探していたが、Rのカウンターでは、中々見合う素材が見つからなかった。
そんな折、ちょうど北海道らしい、「ミズナラ」の素材が見つかったのだ。
そして、ドーンと重厚感あるカウンターが設置された。
一方で、深い黒塗りの表面は、ライトで「キズ」も浮き立つ。
「・・・キズをつけないように、コースターを使おうよ。」
理事長の思いも、解らないでもない。
しかし、「木」は生き物であるから、どうしても「キズ」もつき、乾燥で収縮もする。
まあ、その辺は鷹揚に構えましょう。

■ところで、この「道産の楢」で、「ミズナラ樽」開発の話が、
サントリーの「山崎蒸溜所ブログ」
=日本のウイスキーのふるさとを訪ねて=に掲載されている。
以下一部引用します。

―――輿水チーフブレンダーが北海道の富良野にある
ミズナラの森にでかけたということで、早速話を聞いてきました。
【水野】・・・樽にふさわしい木を見極めるポイントは何ですか?
【輿水氏】とにかく真っ直ぐであること。
できるだけ低い位置で枝が張っていないものが良いですね。
そうでないと漏れやすく折れやすい樽になってしまいます。
樹齢は最低でも150年は必要で、
直径が50~60センチ位ないと綺麗な柾目(まさめ)の材が取れないんですよ。
この条件に合う木なんてそうありません。
【水野】なるほど。その貴重なミズナラ樽の原酒を使ったウイスキーとは?
【輿水氏】代表的なのは「響」。
ミズナラ樽から生まれるモルトこそが、「響」の味わいと香りの決め手!
ミズナラ樽の原酒は、
日本の伽羅や香木を想わせる複雑でオリエンタルな香りが特徴で、
このミズナラをキーモルトとする「響」は日本独特の上品さを感じることができます。・・・
【水野】日本だけの樽であれば、世界からの注目も高いのではないですか?
【輿水氏】そうですね。
ミズナラ樽原酒は日本オリジナルのキャラクターですから、
世界のウイスキー通からも注目が集まっています。
すでに完売した「山崎50年」や「山崎35年」もミズナラ樽のモルトが主体でした。
酒齢35年を超えてなお輝き続ける原酒って数少ないですからね。・・・(略)

■この貴重な「ジャパニーズオーク」のカウンターでモルトを楽しむ・・・。
なんと贅沢なことでしょう。そして改めて、「森の恵み」に感謝しようという気持ちです。

ついでに言えば、「ミズナラ」については、道東「津別の森」の
推定樹齢1200年の「双葉のミズナラ」「最上のミズナラ」が有名です。
北海道の森を歩いても、樹齢数百年の樹木は、
山奥へ行かなくてはなかなか見かけられない。

・・・4月も終わりの頃、チミケップ湖の森にも、ようやく遅い春がやってきます。
あふれる光と、雪解けのセセラギ。
そして小鳥たちの囀りの中で、「ミズナラ」も、ひとつ年輪をくわえます。

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