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SMWS 119.7


ソサエティの2003年ウィンター・ボトリングス。

当時、僕はソサエティのメンバーでは無かったが、第10回エキスプレスメールに
本部からの再入荷と販売のお知らせがあったため、オーダーした物。

SMWSコメント

◆バニラアイスクリームとストロベリーソース◆
きれいな琥珀色をしており、初めの香りは粉っぽく、香水をつけたようで、
流行おくれの女性用コンパクトを思わせる。切れがあるが、シンプルである。
それから、フリーズドライのイチゴが溶けて、
バニラアイスクリームの上にかかったストロベリーソースとなる。
フルストレングスでも非常に飲みやすい。
水を加えると香水の香りが強まる。香りは依然甘いが、
かすかにフェンネルを感じたものもいた。
そして、バニラがソフト・トフィーとなって、前面に出てくる。
水割りにすると、快く、甘くて粘り気のある風味となるが、
ぴりっと苦い焦げたトフィーの味が現れるとともにかなりドライになる。
フィニッシュは短い。大変特徴のあるウィスキー。

香り
山崎らしい軽いエステルに、焼き栗や、なめし立ての牛革。
不思議な事に、軽くジャーキー。
深く香ると粉っぽく、ココナッツパウダーや、シッカロール。
少し離れて香ると、食用のカミキリムシの幼虫の、ウッディでミルキーな甘味(想像)に、
ほんのりパフュームがあって化粧様。さらに酒粕も感じる。

味わい
モルティな旨みと共に生クリームのベタなショートケーキをどっしりと感じ、
すぐにフレッシュな苺が力強く主張する。そこに幾つかのスパイスが乗っている。

加水後の味わい
香りにオフィシャルの10年を彷彿とする、山崎固有のエステルが開く。
軽いカブトムシ香があって甘い山崎蒸溜所の香り。ほんの少しだけドングリ。
甘く飲み易く、エステル香がスッキリしていて、ぐんぐん喉を滑り落ちて行く。
甘味はバニラが効いたカスタードに軽くココナッツが掛かっている感じ。

後味
フローズンヨーグルトと、フローズンストロベリーのシャーベットに蜂蜜が乗った、
甘酸っぱいフィニッシュが長く続く。

総評
香りは山崎12年の原酒を、さらに熟成させた感じだが、味わいは方向性が異なっていて、
イチローズモルトのFOUR of CLUBSを思い浮かべる程にベリーだった。
ただしそれよりも上品で、優雅。

加水すると再び山崎が開いて、甘味が増し、グイグイ飲めてしまうのが恐い。

#山崎

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