マルス信州蒸溜所で蒸留しシェリー樽で6年熟成したライトリーピーテッドのモルト原酒を、
特別にボトリングしたマルス信州蒸溜所限定のシングルカスクウイスキーです。
シェリーホグスヘッド(フェノール値:3.5ppm)
2022年7月よりリリースの中央アルプスラベルシリーズ第3弾
【香り】
最初にシェリー樽由来のカカオや黒糖コクのある甘味と、
未熟感のある発酵臭を感じると次第にオレンジとパイナップルの酸味、
炒り豆の香ばしさ、そしてマルスらしい硫黄臭が香り、
しばらく香ると「これから熟成して確実にトロピカル
(ライチ、キウイ、マンゴー)になる予感」が漂う。
【味わい】
ビターポッキー(大人の琥珀)の甘やかさと穀物様の香ばしさ。
そしてカラメル様の苦味、焦げた渋味とデーツ酢やビネガーの酸味が
心地よく広がる。
【加水後】
香りはパイナップル、キウイ、オレンジ、マスカット甘酸っぱい
トロピカル感が開き、カカオや黒糖のコクは控えめになる。
味わいはチョコワ(チョコレートクリスピー)の甘味と穀物様となり、
ビネガーの酸味が軽やかに乗る。
【後味】
飲み始め、味わっている頃は濃厚で堪能的だが、
静かに焦げた樽材のビターな苦味となり消えゆく。
【総評】
発酵臭の未熟感だけが残念だが、それ以上にマルス特有の
トロピカルなシェリー樽原酒を予感させる香りが楽しい。
さらに加水によって香りと味わいが開花する様が美しい。
ゴム臭のあるシェリー樽原酒にも関わらず
珍しくニートより加水を進められる。
こういう甘酸っぱくてコクが香ばしいシェリー樽原酒、
昔のオフィシャル駒ケ岳10年に入っていたよねぇ、絶対!
だけど駒ケ岳10年はバーボン樽(ホワイトオーク)の
ブルベリーガム濃厚な原酒とバッティングしてたよね。と
昔ながらのオフィシャル駒ケ岳が蘇る期待が盛り上がる、
未熟で完璧じゃないけど美味しいモルト。