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シングルカスク駒ヶ岳2013 No.1665 AGED 9YEARS


本坊酒造コメント
「シングルカスク駒ヶ岳 AGED 9 YEARS Cask No.1665」は、信州の冷涼な環境の下で熟成されたモルトウイスキーの中から、バーボンバレルで9年以上熟成されたヘビリーピーテッド(50ppm)の原酒を1樽厳選して瓶詰した、稀少なシングルカスクウイスキーの逸品です。
https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlecask_komagadake_aged9_1665/

【香り】
最初に強いピート香から始まり、ヨード臭、レモンの酸味に
ミント、ハッカ油やセロリのハーブが爽やかに広がると、
奥から「もろみの発酵臭」がしっかりと主張し、
ピート香と爽やかさをかき消そうとする。

【味わい】
味わいは穀物の旨味と甘味に、バレル由来のバニラ様の甘味が乗って
蜂蜜掛けバニラアイスやミルクキャラメルの如く甘い。
やがて生姜や大根の辛味が現れて口を絞める。

【加水後】
少しの加水でスモーク感が増すが、
酸味、ハーブと発酵臭は変わらず存在している。

味わいは甘味、辛味とも衰えない。

【後味】
ポン菓子の甘味が短く消えゆく。

【総評】
「この未熟感をあえて持たせたまま熟成させた」のか、単に未熟なのか、
9年以上熟成させても香る発酵臭には好みが分かれると思う。
個人的にはニューポットのままの香りをネガティブに捉えている。

一方で味わいは年数分、しっかり熟成していて甘さを楽しめるが、
長くは続かない。飲み続ける分に応じて楽しめる甘味がある。

かつて3~4年の短期熟成でボトリングされたヘビリーピーテッドの
未熟感をかき消すスモーク感は面白かったが、
9年熟成ではピート感が抑えられてきてモルト本来の熟成の真価が
問われる様になったと感じられる。
信州工場の再稼働とその時々のボトリングのおかげで
熟成が織り成す神秘と不思議を目の当たりにしている。
14、15年熟成すれば発酵臭が消えるのか、将来のボトルに期待したい。

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