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SMWS 119.9


ソサエティの2003年ウィンター・ボトリングス。

当時、僕はソサエティのメンバーでは無かったが、第10回エキスプレスメールに
本部からの再入荷と販売のお知らせがあったため、オーダーした物。

SMWSコメント
ブラックチェリーとキルシュ、そしてアーモンドのトッピング。
風味は甘く、清涼感がある。

◆ブラックチェリーとキルシュ◆
赤い光にきらめく磨いたマホガニーの色。香りはとても濃厚でフルーティである。
シロップ入りのキルシュ・ベースのリキュールに漬けたブラックチェリーとプラムに
アーモンドをトッピングしたもののようだが、
我々はリキュール・チョコレートを思い浮かべた。
フルストレングスでの風味は心地よいが、予想したほど大きくはなく、
最後にはいくらか焦げた感じで、口の中を冷やしてくれる。
後味はビターチョコレート。
水を加えても香りが大きく変わることはない。
しかし、香りは薄まって、まず少し酸味のある香りが引き出され、
それから松の木のような(松葉かのこぎりで挽いた木の香りかは不明)香り、
そして、いくらかの木片と焦げたトフィが現れる。
風味は甘く、清涼感があって滑らかである。
水を入れ過ぎないよう注意が必要である。
フィニッシュは中程度あるいは短く、かすかな苦味を感じる。
しばらくすると、サンドペーパーで磨いた木の印象が増す。

香り
即座に脳裏に浮かぶオフィシャル山崎18年。
グミグミっとした甘く熟成感のある香りは、
(飲んだ事は無いが)加水していない山崎18年のメインモルトという印象。
その印象を抜きとして感じるニュアンスは、ナッツ、ヒンヤリした土蔵の中、
(以下、長熟の富士御殿場モルトと似ている)
快いエステル、チョコ、プラムの酸味、ハーブ。

味わい
黒砂糖の濃い甘味、ビターチョコ、
仁(果実の種の中の柔らかい部分)の渋味が効いた甘めの梅酒。
ほんのりカブトムシ。わずかに紹興酒や醤油の様なニュアンスも感じられる。

加水後の味わい
香りはまさに富士御殿場モルトのエステリーな香り。
味わいは仁の渋味が増し、渋味が舌を麻痺させるかの様だが、
一方で清涼飲料水の様な透明なスッキリした甘さを感じる事ができる。

後味
黒砂糖の甘さ、ナッツの香ばしさと麦の美味みが仁で引き締められ、適度に続く。

総評
エステルが効いていながら熟成感があって、濃い目の生き生きした香りと、
パワフルながらも、落ち着きのある、若くない味わい。
これらが入り交じりながらも、山崎のヒンヤリした印象は、
慣れ親しんだ田舎の風景を思い浮かべる。

しかし加水した時に、ストレートに感じる富士御殿場モルトの香りは何なのだろう?
いずれにしても、山崎18年の原酒と言って間違いないであろう味わいは素直に良い。
染み入る様に良い。ぜひまた飲みたい、飲み続けたいモルト。

#山崎

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