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山崎シェリーカスク2010

香り:焼いた青唐、焼き竹の子、焼きおにぎりや、(白米の)お焦げの ニュアンスのある軽い焦げ臭に、大変甘酸っぱいストロベリージャム、 コケモモジャム、レーズンの果実様や、オランジェットが香り、 ほんのりとしたサルファーが旨みとして効いている。 熟成香は「元気」で芳香が強く、若くもシニアでも無い、 ちょうど飲み頃(10~13年位に感じられる)。 いわゆる山崎らしい鉛筆や建機を思わせるエステル香や 梅雨のしっとり感はやや控えめだが、ちゃんと感じられ、安堵する。
味:温かい舌触り。 まだ出来立てで熱く柔らかいべっ甲飴、血液の鉄味、 金柑(小さい柑橘類の果実)の甘味と酸味、ビターココアの苦みとコク、 凝縮したロイヤルミルクティーの濃い甘味と、それに優るタンニンの渋味。
フィニッシュ:珈琲や樹皮の渋味(タンニン)がしっかりと残る。 そして胃から鼻へ抜ける息は柑橘系の果実香になる。
コメント:珈琲や樹皮の渋味(タンニン)がしっかりと残る。
そして胃から鼻へ抜ける息は柑橘系の果実香になる。
総評
山崎のモルトには、もっと甘々のシェリー樽原酒もあるはずだが、
あえて甘味を主体にせず、大人びたコク、酸味と渋味を持たせた
仕上がり(ブレンド)になっていると思う。
中でも山崎らしいエステルが控えめでありつつ、完成され、
極めて上品にまとまっている香りや味わいは、一般的で誰にでも受け入れ易いはずで、
それはグローバルな販売戦略があるのだろうと思える。
その完成具合は、新車が発売されて間も無い頃の(レキサスブランドでは無い)
トヨタ車の高級セダン(クラウン・ロイヤルサルーン)をドライブした時の感覚。
完成度が高いが故の安心感と、相反する冷たさを持っている。遊び心や妥協は無い。
「価格を抑えつつ、高過ぎる完成度を持ったシェリー樽モルト」に出会った。

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