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016. オールド・プルトニー / Old Pulteney

2012.04.21
 
 二泊したテインの町を離れ、今日は一気に北上。本土北部に位置するウィックまでバスで向かいます。

 テインからだとX99番の長距離バスで Dunbeath という場所まで行き、そこからX97番のバスに乗り換えウィックを目指します。

 バスで2時間近い長距離の移動を済ませてウィックの町にたどり着くと、まずはすかさずオールド・プルトニー蒸留所へ。

 ウィックの町は、思っていたよりもずっと大きな町だった。もっと寂れた港町のようなものを想像していたが、住宅街が並ぶなかなか大きな町だった。
 蒸留所自体も、いままでの蒸留所の中では最も街中にある蒸留所。どれくらい街中かっていうと、蒸留所の隣がカフェレストランってくらい街中。


(オールド・プルトニー蒸留所。ウェアハウスの一つは門の外にあった)


(港町の蒸留所らしく、看板には船の絵が描かれていた)

 しかし、残念ながらこの日は土曜日。本来であれば行われているツアーもこの日はお休みで、ビジターセンターも閉ざされている。かくなる上はずかずか入って行き、直接お願いしよう、とか画策していたのであるが、門扉はがっちり閉じられており、しばらくふらふらと門の周りをうろついていたのだが、ひとの気配さえ無い。諦めて、裏手にまわってみたりしましたが、どこか見学できそうなところは無く、無念さを抱きながら町へ帰ります。ここのスチルも面白い形をしているというので、それだけでもみたかったのだが。。


(門の隙間から腕をのばして撮った敷地内の様子)

 悔しかったので、せめてパブでプルトニーのウイスキーだけでも飲もう、と町をふらふら。


(町の一角。石畳がいい感じ。右手に写っている「CROWN BAR」というパブへ)

 スコットランドでは昼間からパブが開いており、また、どんな時間に行っても先客がいないということは無かった。つまり、どこのパブでも、昼間っから飲んでいる地元のおっちゃんみたいな人は一人や二人いるのである。
 とりあえず、目に入ったパブの扉を開け、ジョンスミスのハーフをオーダー。その上で「オールドプルトニーある?」と訊いてみる。するとカウンターの中のおばちゃんは「12年と21年。おすすめは21年よ。Best Whisky in the World」と。おばちゃんのこの台詞は地元愛からくる誇張ではなく、この蒸留所の21年もののウイスキーは、最新の2012年度版『ウイスキーバイブル』で、最高点の97.5点を獲得した逸品。そのことも知っていたので、味わいたかったのだが、とりあえず安い方を。。ということで「12年を」と。隣の紳士に「安い方を選んだな」と笑われ「I have no money」と笑い返す。そこから「どっから来たんだ?なにしにきたんだ?」みたいなトークになり「I came from Japan, for the whisky」って答えたら、みんな笑ってくれた。
 そうこうしているうちに私のグラスが空き、どうしようかなーと思っていると、隣のおっちゃんが「こいつに21年やってくれ」とおごってくれる。突然のことでびっくりしたけど、こんなに嬉しいことは無い。お礼を言ってみんなでスランジバー!とグラスをあわせる。
 結局、その隣にいたおっちゃんも一杯おごってくれて、かなりのハイペースでそれらを飲んでいたら、したたか酔っぱらってしまう。しかし楽しかったし、とてもいい経験だった。


(21年をおごってくれたおっちゃん。自分はエールで口を湿らせながらフェイマスグラウスを飲んでいた)

 ふらふらと町外れの宿に帰り、この日は頭痛とともに落睡。次の日は日曜で蒸留所巡りも出来ないし、散歩でもしようかしら。そんなことを考えながら。

#Old Pulteney

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