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バランス・複雑感(Ver.1.0.0)

自分の中で突出した好きな感覚を何個か上げてきましたが、特に「最高!」というフレーバではなく、「いい感じ」くらいのフレーバやアイラモルトにある燻煙感、アルコール感とは違うピリっと来る辛味のような感覚、この辺りがバランスよく組み合わさった時の感覚に私はまた別のおいしさを感じるようです。

ちょっと表現が難しいのですが、うまく起承転結が体感できて面白いなぁ~というそんな感覚です。そういう意味で単調と感じたり(転がない)、締めが感じられない(結がない)と、この感覚にミートしません。

この展開の面白さは映画とか小説とも似ていて、例えば飲む前のノーズィングや含んだ瞬間のファーストで僅かに感じたものがフィニッシュで台頭してきた時のわくわくするような楽しさは、プロローグ中に何気なく張られた伏線が終盤で回収された時の感覚と近いような気がしますし、フルーツから燻煙感への移行に違和感がないようなスムーズさは思わず読み返したくなる(=次の一口を早く飲みたくなる)ような感覚です。

また、飲む度に感じるものが変わるのはどんなボトルでもあることなのですが、この感覚があるモルトだと色々な複雑性はそのままで強弱や現れるタイミングが異なるような変化をするイメージがあり、前回と同じ展開を求めて飲むとまったく異なったバランス、展開になることも多く、フリーシナリオRPG、不思議のダンジョン系のゲームような毎回の発見の楽しさというにも例えられるかもしれません。

食べ物系での類似感覚としては、鉄観音茶とかもこの感覚を感じるものがあります。最近主流の焙煎度が低い薄い液色のものではなく、麦茶やほうじ茶のような色になるような焙煎度が高めの鉄観音です。これは香ばしさ、甘み、渋み、香りが複雑に混じり合って同じような起承転結を感じました。ただ、お茶の世界もウィスキーのように広いので前述の通り焙煎度やランクもありますから、少し具体例としてはちょっと弱いですね・・・。もし類似感覚を感じるものがあったら、ここに追加していこうと思います。

#感覚について

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