ポートエレンです。スリーリバースのオリジナル。1982-2010の28年物。行きつけのバーを覗いたら何故か入荷されていました。実はこの日にこのバーへ行った理由は、マスターがバーの隣にカフェをオープンさせたので、おめでとうを言いたくて行ったのです。しかし行ったはいいが、偶然このポートエレンにありついてしまったわけです。
ここのマスターはもともと喫茶店を経営していたと言うこともあり、カフェ経営はいわば原点回帰。普段このバーでもコーヒーが飲めたのですが、そのコーヒーが凄くおいしいのです。また「スーパーカルーアミルク」と私が勝手に呼んでいるカルーアの代わりにマスターオリジナルのコーヒーリキュールで作ってくれるカクテルがあるのですが、それがまためちゃくちゃうまい。豆の焙煎からスピリッツへのつけ込みのをマスターがすべて管理しているのでコーヒーリキュール自体がめちゃくちゃうまいのです。しかし、それにしてもバーをやりながらカフェ経営。マスターの行動力には脱帽です。
話をもどしましょう。今回のポートエレンはなんと未開封。「もんきちさんが来るまで開けるのを待っていたんですよ。」という嬉しいお世辞をいただく。嬉しい反面、封切り直後という固めの味わいだけではうまいのかどうかを判断できない面もあります。なんて思いながらも注いで下さいと言ってしまう自分がいました。そして早速飲んでみることに。
たしかポートエレンのファイナルヴィンテージが1983年ですから、今回のものはその前年と言うことになります。ABVは57.5%、いわゆるカスクストレングスでしょう。しかし倉庫のどの位置で寝ていたかにもよりますが、28年も経って57.5%を維持しているのも妙ですね。さらに妙なのがカスクタイプにButtとしか書かれていないこと。Buttと言えばシェリー樽ですが、実は飲んでみてシェリー特有の濃いフルーツ系の甘さや硫黄、硝煙といった物を拾えなかったんですよね。逆にバーボン樽っぽい穀物本来の甘さを多く感じたのです。しかし、信濃屋さんのサイトではリフィルシェリーとあります。でも情報が少ないと書かれていますから真偽のほどは分かりません。
飲んでみると、ポートエレン特有の非常にウォーミーなスモーク、レモンやグレープフルーツなどの黄色い柑橘。そして白い花。フィニッシュに強い渋みと苦み、酸味。これは封切り直後からくる堅さなのかとも思います。うまい、まずいの判断はもう少し時間が必要かもしれません。でも、まぁ贅沢な物を飲ませていただきました。