シグナトリーのボウモアです。1994年の16年物。信濃屋のホームページで価格も安く、しかも1993を彷彿とさせる南国フルーツとあればボウモア好きとしては気になるじゃないですか。というわけで、新宿の信濃屋にて購入して早速飲んでみました。価格はなんと5000円を切る値段。
ところで、或る人は言います。ボウモアの1993年信仰なんて迷信だと。1993年が他のヴィンテージに比べて飛び抜けてすぐれているとは思わないと。確かに一理あると思います。サントリーがボウモア蒸留所をモリソン・ボウモア社から買収して設備投資を行いながら試行錯誤した年が1993年と言われています。その過程で南国フルーツ風味の飛び抜けて美味しいものが出来たというのが1993年。しかし、価格に目を向けると今回紹介する1994年が5千円を切る値段、一方で1993年といったら軒並み万越え。さて1993年は1994年の2倍美味いでしょうか?私が思うに1993年はたしかに美味しいかもしれないが、圧倒的にコストパフォーマンスが悪い。とくに今回の1994年を飲むとそのコストパフォーマンスの差を顕著に感じます。
さて本題に戻りましょう。今回のボウモア1994は2010年末にボトリングされた16年物。ホグズヘッドとありますが742本も取れています。よく見ると2樽分のヴァッティング。ABV46%と特にカスクでもありません。シングルカスクでもなく、普通のカスクでもなく、コストのかかるシェリー樽熟成でもなく・・・この辺が年数の割に安い理由かもしれません。なにせオフィシャルよりも安いですからねぇ。
実際に飲んでみるとビックリ非常にハイバランス。16年という熟成感はしっかり、またデラウェア、桃やメロンと言った多肉系果物が少々、そして塩。特に甘さの上に塩があることにより「スイカに塩」状態で甘みがいっそう引き立っている感じ。マンゴー系の南国フルーツは感じると言えば感じるかもしれないというレベル。90年代ボウモアのお手本のようなボウモアですね。うまい!安い!今年最大のコストパフォーマンスモルトだと思います。
訂正
大嘘こきました。サントリーが買収したのは1994年の7月だそうです。つまり1993年はまだモリソン・ボウモア時代の作品と言うことになります。上記1994年に関しても蒸留が4月とあるのでまだギリギリモリソン・ボウモアと言うことになります。となると、いったい1993年の激ウマ伝説の原因は何なのか?知っている方は是非ご教授を!
#whisky and whiskey