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本坊酒造 信州ファクトリー訪問 その1


私が訪れたことのない最後の蒸留所、本坊酒造 信州ファクトリーへ行ってきました。いわゆるマルスウィスキーの駒ヶ根蒸留所です。スコッチ文化研究所横浜支部でのイベントで行ってきました。


 
集合は朝の6:50分に鶴見駅。7時すぎに出発しました。写真は朝食だと案内された車内の流動食w。ビール100円、氷結果汁50円、ウーロン茶とタリスカーは早い者勝ちでタダという超充実な朝食!。私の隣の方はビールをチェイサー代わりにタリスカーを飲んでいました。合計100円也!


暫くすると、竹鶴ノートのレプリカが回ってきました。こんなのが車中に回ってくるのが蒸留所見学会の面白いところ。今回訪れる本坊酒造にいた岩井喜一郎氏はニッカウィスキー創業者の竹鶴氏の元上司だったんです。竹鶴のスコットランド留学にゴーサインを出したのが岩井氏であることは有名ですね。竹鶴氏はスコットランドに留学して蒸留技術を学んで帰国し、サントリーの山崎蒸留所を作ってその後独立、ニッカウィスキーを立ち上げました。マルスとサントリーとニッカはなんとな~く竹鶴さんつながりなんです。



予想外だったのが往路の事故渋滞。八王子付近で2箇所、笛吹市付近で1箇所の事故渋滞に巻き込まれました、出発して3時間を過ぎても甲府を通過できない状況。渋滞に巻き込まれている間、私も含めて”朝食”をたらふく食べた(飲んだ)連中は小便できないプレイに何度となく苦しむことになりました。写真は笹子トンネルを通過した後の笛吹市内。桃が一面に咲き誇っており、まさに桃源郷というにふさわしい風景でした。



渋滞に悩ませられながらも予定より1時間遅れで何とかマルスウィスキーに到着。工場長自らが深く頭を下げながらお出迎え。うん、麻呂は苦しゅうないぞよ。

到着するとすぐにポットスティルに案内するとの事。というのも、ちょうど初溜、再溜ともに蒸留の真っ最中だったのです。工場長によると、マルスの蒸留は初溜を3日間行って4日目にそれらをまとめて再溜にかけるという4日サイクルらしいのですが、我々の訪問日に合わせて再溜日を1日伸ばしたとのこと。もうね、そんなこと言われると、苦しゅうないどころか感動ものです!



というわけで最初にポットスティルです。奥が初溜、手前が再溜です。ラインアームがコンデンサに向かって細く絞られていくのが特徴でしょうか。さらに面白いことに、見えにくいかもしれませんが、コンデンサが初溜がシェルアンドチューブ、再溜がワームタブを採用していると言うこと。理由を聞くと再開前がそうだったからとの返事。公務員みたいな前例主義か?と思ったのですが、この信州ファクトリーは今年の2月まで約19年間ウィスキーを製造しておらず(モスボール状態)、当時を知るものが社内でも役員1名のみなのだそうです。工場長も製造主任も手探りの再開とのこと。そうなると前例主義でもなんでもなく、とりあえず前の通りにオーバーホールしてやってみるしかない、蒸留所を再開させること自体が新しいチャレンジといっても過言ではないんですね。っていうか、社内で分かる人がほとんどいないのに再開させたというだけでも本当に凄いですね。



ポットスティルは蒸気による間接過熱。面白いことに蒸気はポットスティルの下にある溝に垂れ流し・・・単なる水ですから環境に影響はないでしょうが、なんとなく廃熱が勿体ない気がしますね。でも、そこまで手が回らないのは痛いほど分かります。


長いのでその2に続きます。

#whisky and whiskey #pleasant journey

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