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試飲会体験記(その4)

 ついに、ドキドキものの試飲会が始まってしまった。

 最初の10分は、初めて試飲会に来る人とかあまりいろんなウィスキーを飲んだことのない人のために、今日試飲するウィスキーをどんなふうに選んだかを資料にあるボトルの写真や蒸留所マップを交えて説明しました。試飲する順番も結構悩んですよ。ウィスキーの個性、度数、ピート何かを考えながら、ウィスキーの個性が出るように選んだつもりです。

写真の左から
 1)Speyside地区: Glenfiddich Excellence 18YO 43%
 2)Campbeltown地区: Springbank Founder”s Reserve(RED) 46%
 3)Highland地区: Old Pulteney 17YO 46%
 4)Lowland地区: Bladnoch 13YO Sheep Label 55%
 5)Islands地区: Highland Park 1991 土屋守セレクト 57.1%
 6)Islay地区: Lagavulin Double Matured 1989 43%

 Ex.1)Irish: Green Spot 40%(Midleton蒸留所)
 Ex.2)Bourbon: Evan Williams Single Barrel 1994 43.3%
 Ex.3)Rum: Legend of Cuban Rum pre1962 45%

 試飲会の説明を終えて、やっとお酒に手をつけました。ここでも初めてテイスティングをする方のために手順などを説明してみました。資料にも記載しました。試飲に使うグラス、試飲の手順、アロマを表すコメントなどなどです。悩んだ挙句に最初に持ってきたグレンフィデッィク、ウィスキーの入門には持ってこいの蒸留所です。ただし、飲み慣れた人にはただのグレンフィディックじゃ物足りないだろうと思い、18年を持ってきました。非常にフルーティで重厚感のある香りでした。私も一杯飲んですこし舌も滑らかになってきました。

 二つ目はスプリングバンク。キャンベルタウンではこれしかないでしょうが、最近のオフィシャルやウッドフィニッシュではスプリングバンクの良さを感じられないと思い、ファウンダーズリザーヴの赤を持ってきました。年数がたって少し弱くなってしまった感じもしましたが十分華やかなバンクを感じてもらえたと思います。そして、私としては一番これを飲んでもらいたかったプルトニーのオフィシャル17年。ウィスキーマガジンで高得点を叩き出した逸品です。シェリーとバーボンの調和、フルーティで複雑感のあるアロマ、フルボディで長いフィニッシュ、スパイスと潮風が感じられます。

 3杯飲んだところで少し休憩、参加者の皆さんも少し酔いが回って来て、話も弾んできたようです。質問も2、3つ受けました。

 後半の最初はブラドノック、ローランドは、オフィシャルで出すのは難しい。あまり飲む機会もないでしょうし、それならより珍しいものにと思って出したのがブラドノックですが、やはり周りの布陣を考えるとちょっと見劣りしますね。ということですぐにハイランドパーク。事前にテイスティングした時、発売当時に試飲した印象に比べて硬いなーと思ってました。今日もアロマの立ち方が弱く、セメダインのようなエステリー香だけが際立つ感じでした。土屋さんからも少し水を足した方がいいでしょうというご指摘があり、その通りにするとかなり良くなりました。もう少し早くボトルを開けた方が良かったようです。そして、最後はラガヴーリン、1989年蒸留の2005年ボトリングですから15-16年ものですね。うまいことはうまいんですが、アイラを飲み慣れた人には軽く感じられたようです。

 これで、当初のアイテムを無事解説を交えて試飲できました。ここで残りのエクストラボトルの説明をして、フリーテイスティングに移りました。参加者のところにいって、少しずつお話をしました。概ね好評だったようです。土屋さんにも言われたのですが、解説しながらのテイスティングは難しい。話す方に集中しているので香りや味がよくわからないというかコメントが出てこないのが正直なところです。それを見越して、事前にテイスティングコメントをカンニングぺーバーにして持っていきましたが、正解でした。うまいうまくないといったことは言えても、コメントが全然出ません。慣れれば少しはわかるんでしょうけどねぇ。

 とにもかくにも、なんとか試飲会が終わりました。大きなトラブルもなく、楽しいひと時を提供できたかなと思っています。お願いしたアンケートにもありがたいコメントがたくさんありました。調子にのって2回目をやっちゃおうかとも考えています。それはそれとして、今になって冷静にあの時を振り返ってみると、やはりアイテム選択にはコンセプトの甘さが出ていたと思います。多分おなじコンセプトで別のアイテムを選ぼうとしても難しいでしょう。一回きりの試飲会ならこれでもいいでしょうが、今後もウィスキーファンを広げようとするなら、もっとコンセプトを煮詰めないといけないかなと思います。後は、解説の情報量と整理の仕方ですね。これは、試飲会とは別に進めていくつもりです。それと、テイスティングの感性。センスは鍛えようがないですが、まだそこまで達していません。もっとウィスキーになじんでいかなくてはと思います。

 という訳で初めての試飲会が終わりました。ご協力いただいたアイラバー東京さん、店長のA氏とヘルプできて頂いたSくんに感謝します。参加者のみなさんは言わずもがなですが、わざわざ来て下さった土屋氏に感謝します。そして、アイテム選択のヒントをくれたススキノは無路良のYマスターにもちょっとだけ感謝します。これから、いろんな試飲会が目白押しですので、すぐに2回目というのは無理でしょうが、来年のウィスキーマガジンライブの後に、2回目をやろうかなと考えています。その時はよろしくお願いします。

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