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■ようやく北国の春は訪れた。


五月も中旬だというのに、
やはり今年も、天候不順で、農作業は大変でしょう。
家の白蓮も、あまり花を咲かせない。
こういう年は夏が短く、不作だと経験から感じている。

それでも、途中に立ち寄った、
昼休みの札幌中島公園は、
青空の下で、人々が、
ようやく訪れた北国の春を満喫している。
やっと、やっと、待ち望んだ光のあふれる光景だ。
花の下で、芝生に寝転んで、おおきな空の下で、
束の間、深呼吸をした。

桜が咲き誇り、
こぶしの花は天に向っている。



   山なみ遠に春はきて

   こぶしの花は天上に

   雲はかなたにかへれども

   かへるべしらに越ゆる路

      ――三好達治詩集 『花 筐』より 「山なみとほに」

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