連休に美瑛の春を満喫してきたKさんが、
冷凍の「ハッシュポテト」を届けてくれた。
パッケージのデザインは頂けないが、
値段も手頃で、これはイケてる一品だ。
予熱したオーブントースターで、
コンガリ焼くと、手間いらずでとても美味しい。
それで、昨日の事を思い出して、
――奈良にうまいものなし。なんて、
誰が言ったのか知らないけれど、
そのひとことに、けっこう単純に、
洗脳されてしまうからイヤになってしまう。
・・・ビンボーな学生だった頃、
奈良公園で、鹿のせんべいとか喰ったが、
それはたしかに、まずかった。
いまも、ビンボーは変わらないけど、
ビンボー故に、いや、気持ちがどこか、
満ち足りていないからこそ、
モノは旨いと感じられるのかもしれない。
そのまま、奈良を再訪しなければ、
奈良と言えば大仏よ。奈良漬よ。
・・・と勝手に壁をつくって、
わたしの人生も完結していたかもしれない。
それで世間には、「うまいもの」が氾濫しているが、
それも、どうという事の無いものも多すぎて、
空虚なパクリと、能書き合戦に、きょうも明け暮れていて、
実際には、食物は、どんどん不味くなっているのであろう。
そういう、ミエミエの卑しさが横行する時代の片隅で、
モノとココロが、そのままカタチになった、
モノの出自が見える、まともなモノづくりをしている人々も、
かならず存在しているのだ。
・・・そう思うと、
まだ見ぬ旨いものに、また出会えるような気がして、
また、旅へ出たくなるのであった。
#■FOOD