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■モノとココロとカタチと 


連休に美瑛の春を満喫してきたKさんが、
冷凍の「ハッシュポテト」を届けてくれた。
パッケージのデザインは頂けないが、
値段も手頃で、これはイケてる一品だ。
予熱したオーブントースターで、
コンガリ焼くと、手間いらずでとても美味しい。

それで、昨日の事を思い出して、
――奈良にうまいものなし。なんて、
誰が言ったのか知らないけれど、
そのひとことに、けっこう単純に、
洗脳されてしまうからイヤになってしまう。

・・・ビンボーな学生だった頃、
奈良公園で、鹿のせんべいとか喰ったが、
それはたしかに、まずかった。
いまも、ビンボーは変わらないけど、
ビンボー故に、いや、気持ちがどこか、
満ち足りていないからこそ、
モノは旨いと感じられるのかもしれない。

そのまま、奈良を再訪しなければ、
奈良と言えば大仏よ。奈良漬よ。
・・・と勝手に壁をつくって、
わたしの人生も完結していたかもしれない。

それで世間には、「うまいもの」が氾濫しているが、
それも、どうという事の無いものも多すぎて、
空虚なパクリと、能書き合戦に、きょうも明け暮れていて、
実際には、食物は、どんどん不味くなっているのであろう。

そういう、ミエミエの卑しさが横行する時代の片隅で、
モノとココロが、そのままカタチになった、
モノの出自が見える、まともなモノづくりをしている人々も、
かならず存在しているのだ。
・・・そう思うと、
まだ見ぬ旨いものに、また出会えるような気がして、
また、旅へ出たくなるのであった。

#■FOOD

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