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■マッカラン25年に感動が甦る 


RYU’S CLUB 15年の、シングルモルトをめぐる変遷は、
見方を変えれば、
「マッカラン」変貌の推移を辿る15年でもあったのだ。

いや、マッカランばかりではない。
そこには、あらかじめ退路が閉ざされた、
『シングルモルト』ボトルたちの宿命が潜んでいる。

それでも人は、あれこれと創意工夫と試行錯誤を繰り返し、
また記憶に忠実に、また個性を最大限引き出して、
一方で、ブランドの均質化に努めている。
しかしそもそも、シングルモルトウイスキーの魅力の奥行きは、
そういう、人為的な作為を超えたところに潜んでいる。

人が作ろうとして造るものには、
自ずから作為が見えていて、極めてわかりやすいのであるが、
モルトウイスキーの魅力は、そういう作為を超えた、
偶然に「出来てしまった」というところにある。
・・・あとは、運を天に任すしかない。

――それで、ミラノのバールの店先で見つけた、
1970年物のGIOVINETTIの「MACALLAN」25年は、
昨晩封が切られたのである。

――おいおい、バイヤー早く来ないと、無くなってしまうぞ。
という夜中に、朝に、KAWATA理事長からの電話連絡に、
日の暮れるのも待ち遠しく、さっそくバイヤーはCLUBへ出向いたのである。

――なんだ、まだあるじゃん。

・・・選び抜かれた円熟のオーク樽。最高の樽こそマッカランの長期熟成に叶う。
・・・そしてゴールデンプロミスという種の大麦。
・・・まだ、ポットスチルが6基だったという60年代マッカランの、
  スモールイズビューティフルの名残。

その三拍子が、凝縮された、程よい甘さとフルーティな華やかさ。
それらは、いまでは失われてしまった芸当なのである。

――その、「言葉」と「印象」が、見事に一致した、
限りないやさしさの秘められた、円やかなワンショットを、
記憶に留めようと、味わいながら、
おもわず「スランジバー」と、一同つぶやいたのである。

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