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■びえいの丘観光入門


――旭川への道中、美瑛の丘へ寄り道した。
農道の影で、ヒマワリの花が咲き誇っている。
畑の向うはトンガリ屋根の美馬牛小学校だ。
子供たちはまだ勉強中だ。静かにしよう。

――その小学校のある、丘の道は、
「わ」「わ」「わ」と、レンタカーがびゅんびゅんと走り回っていて、
そうか、いまでは「美瑛の丘」は北海道一とも云える観光スポットなのだ。
「わー」農道を観光バスも行き来している。
スゴイ人気だぜ。

――これが、パッチワークの道か。
何処も彼処も、絵になる農道の丘の風景を、
ぐるぐると走り回っても、美瑛町には、
ちゃんと観光客向けに道路標識が完備されているのであった。
そして、丘の道には、電柱も無いのは、
ちゃんと意図されているのであろう。

――わー、クルマが集まっている。なんだあれは。
「これがケンとメリーの木でございます」
なるほど。
・・・いつの間にか、バイヤーも、写真愛好家を装って、
パチリ・パチリ・パチリ・・・・。

――「皆様これが、マイルドセブンの木でございます」
なんて言っているがどうかは知らないが、観光バスがゆっくりと通り過ぎる。
そして、「わ」「わ」「わ」。
しかし、いい写真がなかなか撮れないので、
ポイント毎に、やっぱり、ヘタッピーだなとつくづく思う。

――これが、「親子の木」だ。
・・・これらの「木」に、「わ」「わ」「わ」が集まっては、散らばってゆくが、
「木」は風景の中にあるのだから、
その「木」のまわりに集まったところで、如何と言う事はないのだが・・・。
ようやく、そういう考えに至って・・・。

――わー、砂糖黍畑の向うの空がきれいだ。
なんて走りながら思うと、
そこがかならず撮影スポットなのも「美瑛の丘」なのだ。

――そうして、3時間ほど丘の道をさまよって、
びえいの丘観光入門は終わった。

こんど来たときは、
やはり、この先のレベルの写真を撮らなくては。

・・・そういう、気持ちにさせるところも、
さすがに「美瑛の丘」なのである。

#■HOKKAIDO

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