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■今宵RYU’S CLUBにて



――こんばんは。
――おひさしぶりですね。
――そうだな、じゃあ今夜は、あれ頂きますか。
――なんだ、ボトルのカタチ変わったね。
――変わる世の中ですね。
――そうだな。あれ、なんだこれ・・・。
――どうかしました。
――いや別に。・・・すっかり変わったなって思っただけさ。
――何ひとりでブツブツ言っているのですか。
――憧れのマドンナにある時街角ですれ違うような・・・。
――・・・また、それですか。
――いつも、たとえが悪くてすみません。
――どこがどう変わったのですか。
――あの甘くまろやかにも、美しい花のようなバランスが。
――それがどうしたというのですか。
――ずいぶん尖ってしまって、柑橘系ぷんぷんの香りを残して、
――街角を通り過ぎたと、また言いたいのですね。
――そのとおり。・・・ホロ苦さばかりを残して、風と共に去りぬか。
――まあ、そうやって、ひとり思い出に浸っているのですね。
――そう云わず、実際にちょっとティスティングしてみたら。
――・・・あれ、ほんとうだ。
――でしょう。

  ♪いまでは指輪も まわるほど
   やせてやつれた おまえのうわさ
   くちなしの花の 花のかおりが
   旅路のはてまで ついてくる
   くちなしの白い花
   おまえのような 花だった
    (くちなしの花 水木かおる作詞 遠藤実作曲 渡哲也歌)

――確認のため、別なボトル。あっ、それそれ。
――シグナトリーのですね。
――うん。やっぱり、これならゆるせる範囲かな。
―― 一年前とは大違いですね。
――アッチャー。しかしこれ、三本も買ってしまったんだよな。

なんて酔っ払っていいながら、ブログ書いておきました。
このモルトへの「愛」と、バイヤーとしての反省を込めて・・・。
――2009年4月23日。夜小雨。

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