オールドボトルの評価って、ホントに難しい。
私みたいにミーハー(死語?)だと、どうしても有名なオールドボトルは
呑む前に評価のかさ上げが出てしまいます。
元の酒質以上に開栓前、あるいは後の保存状態に寄るところも多いのですし・・・
でもね、これは素性の良いウィスキーをホントにピークで呑んだ、
そんな良さがありました。
Glendronach 12yo 1964 OB dumpy
香りから凛とした果実。
飲んでも若干の発泡を伴って、桃、ブドウ、僅かにレモンとパイナップル、ライチ。
コショウに生姜のスパイスが、甘味に走らせず絶妙にバランスに保つ。
花はジャスミンティーの様に、茶葉に関連付けて認識される。
果実はネクターなとろみを僅かに感じさせるが、フレッシュさを損なわない適度なところ。
麦感も透明にかつ明瞭に感じられる。
熟成感は12年とは全く信じられない。
明瞭な輪郭を持った、味香り共に抜群の素晴らしさ。
呑み進めるにつれて、バニラと共にターメリックやカルダモンのカレーを感じさせるのも、
単なる優等生に終わらない、幅の広さを印象づける。
戻ってくる香りも、ピンと張った弦のように、緊張感と弾力をもって素晴らしい。
これはすごい。
まさにキタワァ~って感じ。
香りで期待を煽られ、味で頂上に引きあげられる。
短熟なのに、非常に複雑な熟成感があって、
それでいて、若いスパイスが交雑する。
これで12年なら、これ以上の熟成って必要なの?
とか、
この味わいなら、ドロナックにこてこてのシェリーっていらないんじゃ?
って言うくらいの出来栄え。
まぁ、いつでもこうなのか、ボトルの個体差が大きいのか、
そのあたりは私にはわかっておりませんが・・・
では、おやすみなさい。
#Glendronach