MENU

タリスカー蒸留所へ

2012.05.19

 さて、本編に戻って、目指すはスカイ島唯一の蒸留所、タリスカーです。

 私が宿を取っている町が、スカイ島のほぼ中心にあるポートリーという町。目的のタリスカーはそこから南西に移動したカールボストという場所に位置します。ポートリーからは距離にしておよそ17マイル、27キロ強の道程です。

 さて、ここで大問題が発生。当初、私はこの間をバスで移動しようと考えていたのですが、なんと間の悪いことに、この日は土曜日。例によって公共交通機関の本数は激減し、それはこちらのバスも例外ではありません。調べると、このルートを土曜日に通るバスはたったの1便のみ。それもカールボスト→ポートリーのバスが朝10時頃、ポートリー→カールボストが夕方17時頃と、私のスケジュールとは真逆ではありませんか。
 うむむ。これは困った。27キロという道程を踏破するとなると、6時間以上。片道がそれだから、往復だと12時間。そもそもそんなにも長い時間歩き続けることが出来るかどうかも疑問である。
 さらに、タリスカー蒸留所の最初のツアーがスタートするのが10時で、最終のツアーが16時。帰りのことを考えると少しでも早いツアーに参加した方がいいのであって、それを考えるとまだ日も明けない時間に宿を出発しなくてはならない。
 しかし、私の中には楽観する部分もあって、というのもポートリーからはほぼ一本道。これまでの経験から、スコットランドで道の端っこを歩いていたら、必ず誰かしらが拾って乗っけてってくれるだろう、という考えがあったのである。

 いざ、本当に困ったときは親指を立てればいいさー、と呑気にスカイ島に到着したのですが、前日にスカイ島散策をしていた時に、レンタルサイクルのお店を発見。これは使わない手はあるまいと、当日、身振り手振りでお店のおっちゃんに話しかけ、無事、レンタルサイクルを借りることが出来ました。


(ファルコン号と命名)

 よかった!これで無茶なスケジュールでタリスカーを目指さなくて済む!自転車という足によって万能感を手にした私は、一路、タリスカー蒸留所を目指します。


(とてつもなくいい天気)

 幸い天候にも恵まれたこの日。大自然に囲まれたスカイ島をサイクリングするには絶好の日和です。


(雲の流れまでも美しい)

 景色はとても美しいのだが、アップダウンはけっこうあり、慣れない自転車では少し大変なところも。それでも、当初は歩いて行こう、とか考えていたのですから、それに比べれば天国のようなもの。上りはきついですが、その分下りもあるってことで、風を切って進みます。


(本当に自分がこの場所にいたのか信じられなくなるような写真)


(ちょうど中間地点あたりに位置するスリガハンという町。スリガハン川にかかる橋は観光スポットなのか、ツアーバスが止まって観光客がたくさん降りていっていた)


(羊たちもこころなしかのんびりしている)

 風景を楽しみながら自転車を漕ぐこと、およそ2時間半ほど。無事タリスカー蒸留所にたどり着きました。


(タリスカーに到着!わくわく!)

#Talisker

この記事を書いた人