このブログをご覧になっている方は知っている方も多いと思いますが、私の所属するスコッチ文化研究所(以下、スコ文研と称す)では、この5月にウィスキーコニサー資格認定ウィスキープロフェッショナル試験が行われます。スコ文研では、2004年よりウィスキーコニサー認定資格を設けました。この資格はレベルによって3段階あり、ウィスキーエキスパート(WE)、ウィスキープロフェッショナル(WP)、マスター・オブ・ウィスキー(MW)となっています。今回のWP資格試験の受験資格はWEの有資格者となっています。私は2004年にWE資格を取りました。それで、今回WP資格へ挑戦することにしました。
7日は、恵比寿のイベントホールで試験の対策講座が開かれ、受験予定者を含め約100名強の方が集まりました。土曜日というのに朝9時半から夕方16時半までの長丁場です。講座内容は4時限に分かれており、最初はスコッチウィスキーの歴史、次がスコッチウィスキーの製造、3番目がアメリカンとカナディアンの歴史と製造、そして最後がテイスティングです。WE資格試験は選択式の筆記試験だったのですが、WPでは記述式と官能試験(テイスティング)が加わって難易度アップです。最初に土屋守スコ文研代表から試験について説明がありましたが、WPは五大ウィスキーに関する知識はもちろんの事、業界の時事情報にもアンテナを張っていなくてはいけないし、ウィスキーを飲む人に明確なアドバイスができるようウィスキーの味わいについて表現ができる事が必要だそうです。大学で化学を専攻した私はウィスキーの製法は理解しやすい分野ですが、歴史や蒸留所の情報を覚えるのは大変そうです。土屋代表曰く、現在稼動しているスコッチの全蒸留所についてその名称と場所を記憶するのは当たり前だそうです。また、主要蒸留所の特徴も知っておいて然るべきと言うことですので、壁にスコットランドの地図を張って覚えなくてはいけませんね。
さて、歴史や製法の講義の後はいよいよテイスティングの講義。スコ文研の試飲会は何度も参加しているのでやり方自体は問題ないのですが、試験のポイントが何なのか気になるところでした。まずは色、そしてアロマ、フレーバー、余韻と順に感じた事を記録していきます。とにかく感じた香りや味をどんどん記録した方がいいそうですね。確かに、試飲会なんかでは感じたものをストレートに表現した方が伝わるしかっこいい、言った者勝ちというところです。そして、最後に総合評価。これは試飲したウィスキーの全体的なイメージやセールスポイントを答えるようなものでした。講義ではその他にブランド名は何かを考えさせられました。今回の講義での試飲は2アイテム。正解から言うと2アイテムはグレンリベット12年とマッカラン12年だったんですが、最初のグレンリベットはわかりませんでした。バニラ香やフルーツ、花の香りなど優しい穏やかな香りはバランスが良く飲みやすい味でスペイサイドであることはわかるのですが、蒸留所名が出てこない。スペイサイドと思っていても「これ、グレンモーレンジかな」なんて思ったりもしました。グレンリベットと聞いてびっくり、グレンリベットのオフィシャルって意外と旨いんだといまさらながらに感心した次第です。ただ一つ目がわかると二つ目は簡単でした。グレンリベットより若干濃い目の色合い、シェリー樽由来の香り、しかしバランスのいいスペイサイド。となるとすぐ思い浮かぶのはマッカランでした。なんとかWE資格者の面目躍如といったところでしょうか。
最後のテイスティングで一日の講座は終了しましたが、試験までの一月半は、歴史や製法の勉強に加えて、毎日テイスティングのトレーニングをしなければとつくづく思いました。特に、オフィシャルの味わいに疎くなっている事はよくない事です。オフィシャルの主要銘柄の味わい位はきっちり抑えなければと思います。という事で、オフィシャルの訓練にぴったりなお店へこの日行くことにしました。その話は、別途書きたいと思います。
#うんちく