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ポートエレン(信濃屋 チェスシリーズ)


調布のバー桂にて。そもそも最近のポートエレンはその希少性ゆえにコストパフォーマンスがすこぶる悪く、普段の私としてはそんな金を出すのであれば、ほかのモルトを2杯飲んだほうがましだとなってしまいます。しかしバー桂さんではハーフOKなので、量は半分になりますが、絶対的な価格ではそこそこリーズナブルに飲むことができます。そういえば、最近は桂さんだけでなくてもハーフで出してくれるバーが増えましたね。消費者にとってはそれだけたくさんの種類が飲めるので喜ばしいことです。っていうか、ハーフで出す店が増えたというか、ハーフでなければとても日常的に飲めないような値段ばかりのモルトが次々とリリースされているという事情があると言えると思います。(GMケルティックとかGMケルティックとかGMケルティックとか・・・)バーも1杯3千円、4千円となると売りにくいでしょうね。

さて今回のポートエレンですが、マスターにハーフを注文すると、「お年賀ですからフルで飲んできなさい。」とハーフの値段でフルの量をいただいちゃいました。この時点で非常にコストパフォーマンスが高いポートエレンが僕の前に現れたわけですw マスターありがとうございます。

ポートエレンのハウススタイルである比較的ソフトなピーティーさと長熟がなせる技、そしてシェリーとが融合し、非常にハイバランスな出来。ポートエレン蒸留所がある南アイラでも、現在の南アイラ3兄弟(ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグ)とは一線を画す非常に上品なピートモルトに仕上がっています。こういうアイラをモルト初心者に飲ませるとファンのすそ野が一気に広がると思うんですけどね。また樽がシェリーバットとありますが、副作用の硝煙はあまり感じられずシェリーの良い面がハウススタイルを下支えしています。ヴァイオリンとヴィオラの良い2重奏といった感じ。信濃屋さんがチェスシリーズでもキングに据え置きたかったという理由がわかります。1983年蒸留といえばポートエレンのファイナルヴィンテージに当たる年ですね。そういう意味でも希少性が高いと思います。

悶絶級というわけではありませんが、飲んでおいて損はないと思います。

#whisky and whiskey

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