2001.4.22(日)
9:00 工場集合
9:15 樽づくり体験(樽職人・長谷川氏)
長谷川氏は昭和31年から、樽づくり一筋。
「好きだから続けて来られたんです。」と、樽をいとおしい様子で撫でた。
[原木] 樽材はオーク(ナラの木)。樹齢、80~120年程の木が適している。
それ以上は老木となるので使えない。
[玉切り] 樽の高さ(長さ)を考えて輪切りにする。
[大割り] それを縦に4分割する。
[小割り] 各々を年輪の中心を通るように分割する。
[中仕上げ] 柾目板をとり板としての仕上げをする。(柾目でないと漏れない樽にはならない)
[整形乾燥] 井桁に組んで、約3年間自然乾燥させる。(木は端から乾燥する)
[鏡板加工](丸い蓋を構成する板)
カンナで丸く削りとり、板と板を木の釘で(両側とも尖った釘)継ぐ。
円形を整え、はめ込みのための溝を削る。
[側板加工](樽の胴を構成する板)
まず、長さを切りそろえる。曲線を描いて両端がすぼまる形に、側面を削る。
板の幅はまちまちなので、これを30~40枚選び、
板と板の接する面が隙間なく合うように仮輪で絞り、蒸し煮する。
(貯蔵した時下側になる方には、良い素材の部分を持ってくる)
鏡板をはめ込む溝を削る。
[組み立て] 鏡板や側板の隙間をふさぐパッキンには、蒲の茎が使われる。
(蒲の茎は、天井から吊るして干してある)
鏡板をはめこむ。
[タガ締め] 帯鉄(おびてつ・タガ)で輪締めする。樽は板と帯鉄だけで、金釘や接着剤は使用しない。
[チャー]
樽の内側を焼き、
(樽の内部を焼いた時、バージンだと、赤い炎、2回目からはオーロラのような青い炎となるそうである)
安定させるため2~3週間おく。
[仕上げ] 最後にダボ穴と呼ばれる口穴を開ける。水を入れて漏れのテスト。ひと樽は容量230L(300K)
不良な部分を手直しして、完成。
樽は何回も貯蔵に用いるが、使命を終えた樽は、蒸留の際に補助燃料として使われる他、コーティングしてプランターに加工したり、最近では家具として再生できるようになった。
最後に、長谷川氏に、失礼を承知の上であえて尋ねてみた。
「もしも、もしも私が樽職人だったら、死んだ時には、棺おけではなく、自分で造った樽の中で眠りたい。と願うところですが、長谷川さんはいかがでしょうか?」と。
「製造課長。どうでしょうね?」長谷川氏は顔をニヤつかせ、許可を得るふりをして小原氏にこの質問を振り、うまく逃れたのであった。
10:00 樽詰作業
ひとりひとりが、それぞれの想いを込めて、鏡板にサイン。
蒸留液を樽詰し、栓をした。
10:15 貯蔵庫へ搬入
我が子を見送る気持ちで、樽を貯蔵庫へ。現在、貯蔵庫は28棟。
わたしたちの樽は2号貯蔵庫で、10年後の再会に向け永い眠りに就いた。
樽番号404362である。
12:00 着替えて昼食
13:00 解散