明日は雪の予報です。
本格的な冬に向かって、薪作りが忙しい。
薪ストーブに使う薪はしっかりと乾燥させたものを使いますから、導入初年の今年はストーブ屋さんで調達しました。長さを自分のストーブに入るように調整したり、目的(焚きつけ、熾き、料理など)に合わせて割ったりしています。また、同時に来年、再来年の冬に使う薪を乾燥させる準備もしなければなりません。
気の早い話であり、とても気の長い話ですね。
薪に使う樹の樹種は楢や樫などの硬い広葉樹が一般的です。
ミズナラといえば、長期熟成を経て、美味い日本のウィスキーを育てるありがたい木という印象がありますが、全国的に広く分布しているこの広葉樹も薪にします。僕が住んでいる地域は林檎を栽培する農家が多く、植え替えのために不要となってしまった樹、選定作業で出てくる林檎の枝なども素晴らしい薪になります。林檎は楢よりも高温で安定して燃え、また、節が多く、変化にとんだ炎を楽しめます。
楢、樫の樹といえば、こだわりがひときわ際立つグレンモーレンジの樽の側板は、板の状態で天日乾燥をし、2年間も乾燥させるそうですね。アルチザンカスクが発売されたとき、パッケージにびっしりと書き込まれていた樽材への思いには驚かされました。生の樫の樹を斧で割ると、ウィスキーにも感じられるほっと安らぐ良い香りがします。ウィスキーもまた、森の恵みです。
僕が住む長野県は林業産出額で日本一、森林面積も全国で3位なのですが、林業に従事する人が少なくなり荒れた里山が目立つようになりました。そこで、長野県では独自に森林税をもうけ、里山の整備を行っています。
整備の現場では県から委託を受けたNPOも活躍しています。
里山を整備しているNPOのメンバーにも、薪ストーブの愛好家は多く、定年後に田舎暮らし、薪ストーブのある暮らしを求めて都会から移住してきた方も多いそうです。
自治体を中心に人気を集めているカラマツストーブの普及など、森林資源を有効に利用する活動も広まってきました。
もちろん、健全な里山を維持していくためには地域の農業振興も重要であり、里山の豊かな生態系を取り戻すにはまだ時間がかかりますが、薪ストーブがその一翼を担うようになってきたのは間違いがないようです。