某店でのこと。
最後の締めにしっかり濃く美味しいのを、とリクエストしました。
(あ~、激しく美味しいのってのも付けていたような・・・)
そして出てきましたのがこれでした。
まったり甘いのは長熟でとか、
バンクは塩キャラメルのみOKとか、
シングルモルトは麦の味がないとね、
と言われる方には合わないかもしれませんが、
これはまさしくしっかりとおいしいデザートでした。
SpringbankのPort-Wood、ドイツ向けの13年熟成です。
Springbank 13yo 1989-03 54.2% Port-Wood, Hanseatische
いわゆる屋台の林檎飴の様な甘さかと思ったら、
直後にしっかりとアルコール感がどーっと押し寄せる。
ただし刺々しいというよりも、甘濃い味をしっかり支えて
頼もしいといった感じ。
フィニッシュ物の薄くコーティングしたような味付けではなく、
ある程度の長期間漬けこんだ、濃くなじんだ味わい。
アメリカンチェリーのゼリー。
シロップ漬けのドライフルーツ。
酸味を抑制したアセロラドリンク。
赤い果実を飴に解いた、とろみのついた甘さが長い。
素晴らしいデザートウィスキーでした。
バンクらしいかと言えば、それは違いますが、
締めの一杯には最適といえる一杯でした。
フィニッシュなのでしょうが、
取ってつけた感はなく、非常にこなれています。
しかし長熟物のに比較してその熟成の若さが、
やや酸味のある赤い果実を活き活きと表現していて、
濃厚な甘さとの対比が、また好ましかったです。
では、ごきげんよう。
#Springbank